読書会の趣旨
minneでは、チーム・個人両方の成長とアウトプット支援の一環として、チームメンバー主導による読書会が実施されています。 読書会の趣旨については過去に詳しく書いたテックブログの回があるのでそちらをご覧ください。
この本を読むことになった理由
今回は、「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」を読みました。プロダクト開発をしていると自然に起こってくる「あれもこれもやりたい」という気持ちへの向き合い方や、どう優先度を付けたら良いかという考え方、タスク管理やスケジュールのコントロールの仕方、心理的な部分について議論してみようというところから読むことになりました。
各メンバーの感想と今後のアクション
daiki
本書では一貫してやるべきことに集中するべきという論調なのだなと解釈しました。人間の集中力や時間には限りがあることを考えれば、風呂敷を広げすぎて収集がつかなくなるよりは、自分がバリューを出せるところはどこか、どういった振る舞いが組織として期待されているか、客観的に評価してから普段の行動に反映させていきたいなと思いました。GMOインターネットグループのヴィジョンやノウハウが集約されているスピリットベンチャー宣言の中にも、『事業・ものごとにはポイントがある。ポイントとはボウリングにおけるセンターピン。最小のパワーで最大の効果を得よう。』、『スピード経営。ポイント集中。商いは飽きない。ポイント集中とは、ポイント以外をやらないこと。』といった文言があります。これらもまさにエッセンシャル思考にも重なる思考だと考えており、実際多くのパートナーがこれらを意識しつつ行動できているのではないかとも感じました。
hikari
非エッセンシャル思考では多くを望むが得るものは少ない、派手な勝利を追い求めてしまう。その一方、エッセンシャル思考では小さく始めて大きな成果を得るので結果的に地道でも着実に勝ちに行くことができるという項が、特に今チームで実践している内容とも重なり印象的でした。早く小さく始め、最小限の進歩を重ねることで無駄な努力をしなくてすむということはアジャイル開発においては重要ですね。いち開発者だけではなくチーム全員で「早く小さく始める」「その積み重ねで大きな成果を得る」体験をしてプロダクトを最高にしていきたい!
yukyan
バッファを常に確保することの重要さを説いた項は、決められたスケジュール通りにタスクをこなせなかった経験と重なり印象的でした。筆者は、こうした傾向は「計画錯誤」と呼ばれる、見積もりの甘さが原因であると述べています。バッファを持たずにタスクをこなすことは、想定外の事態に対応できず、スケジュールの乱れやトラブルにつながります。取り掛かる前の徹底的な準備に加え、見積もりの際、甘く見積もっていないか?を省みて、見積もりを1.5倍にすることで、よりスラックを持った開発を心がけていきたいです。
tomozo
改めて優先順位の重要性を感じる書籍でした。だいたいのアイデアは一見すると魅力的ですぐに取り掛かりたくなったりするものですが、そのプロダクトの誰の、どんな課題を解決するのものなのか、その課題自体の優先順位は何番目に位置しているのか?まで常に振り返られる仕組みをつくっていきたいと思いました。
yamachan
この本を読んで取捨選択の大切さを改めて認識しました。頼まれた仕事の全てを引き受けていると、得意・不得意があるので規模が大きくて不得意なタスクを引き受けてし待った場合に非効率です。チームでプロダクトを開発する上でお互いの得意・不得意の領域を把握して、自分が最大限バリューを発揮できるタスクは積極的に引き受けて、不得意なタスクはそのタスクを得意とするチームメンバーに担当してもらうというように、チーム全体の開発効率を意識して引き受けるタスクの取捨選択をしたいと思いました。
tsumichan
本書では「より少なく、しかしより良く」というフレーズが何度も登場します。そのため、エッセンシャル思考とは「本当に重要なことにだけ取り組んで質の良い結果を出していくこと」であると強く印象づけられました。過去の偉人や著名な経営者が人生における選択でエッセンシャル思考を活用したエピソードが多く、参考にしづらいと感じてしまいそうですが、「仕事で不要なミーティングに出席しない」などの身近な例もあり、自分が日々の生活の中でエッセンシャル思考をどう実践するのかをイメージしながら読み進められました。プロダクト開発においてやるべきことはたくさんあります。その数ある作業の中からどの作業に取り掛かるかを決める際に「より少なく、しかしより良く」を実践するのが目標ですが、まずは私が明日仕事を始めたときに「本当に重要で、たった今にやるべきことは何か?」を自問するということを最初のアクションとしたいと思います。そこから徐々にチームや会社規模でエッセンシャル思考を実践していきたいです。
まとめ
今回の読書会では、週に1回、30分の時間を確保してオンラインミーティングで1節ずつ輪読するかたちで進めました。また、内容について議論したことやその場で話した感想をドキュメントとして残すことで、重要だと思った部分や印象に残った部分を記録して見返せるようにしました。
各メンバーの感想からもわかるように、ひとりひとり印象に残る部分がバラバラで、課題に対してのアクションも異なります。このメンバーで議論しながら輪読したことで、さまざまな視点で活発な議論ができ、同じ本を読んでもそれぞれのやり方で業務に活かすアクションを考えられたので、読書会でこの本を読んで良かったと思います。
今後も同様の形式の読書会を続けていく予定です。皆さんも、ぜひチームのメンバーと読書会をやってみてはいかがでしょうか?