読書会 minne

minneにおける読書会の実施時例紹介 ~ねらいと背景~

読書会 minne

こんにちは! minne エンジニアの daiki です!

今日は minne での読書会の取り組みをご紹介したいと思います!

どんな会?

毎日参加者が、一つの Google Meet に集合し、1冊の本を順に音読していく会です。読書会で取り上げる本は、会社経費で買ってもらっています。

メリットとねらい

コミュニケーションの省力化

弊社でもリモートワークが導入されてずいぶんと時間がたちました。振り返ってみればオフラインのコミュニケーションにおいては、有機的なコミュニケーションがいたって当然のように行われてきました。例えば、ミーティング中に過去事例を「例の件」として紹介したとして、新人には「例の件」がどの件かわからなかったとします。そのとき、こっそり隣の席の先輩に聞いてみたり、ミーティング後にすぐに質問したりすることが出来ていたと思います。しかしながら、オンラインのコミュニケーションにおいては良くも悪くも話者と聴衆が1対多としてつながれ、聴衆同士のコミュニケーションをうまく引き出すのが難しいことは、読者の方もご存じの通りだと思います。このような前提知識の差はコミュニケーションに少なからず影響を与えるのではないかと考えています。

そこで、前述の「例の件」の様なドメイン知識にあってはそのたびごとに解決していくしか方法がないのですが、それ以外の、たとえば読書することで取り入れられるような業界知識だったとしたら、あるいは読書の内容に派生して先輩メンバーからなにか知見の共有が行われれば、読書会を行うことで前提知識をまかなうことが出来、コミュニケーションで1から説明するような自体を避けることが出来ると考え読書会を継続しています。

専門性の向上と自立した学習

もちろん一般的な読書による効果も期待できます。専門書を読むことによって、技術的にオリエンタルな分野について触れあるいは知ることができたり、先人たちが蓄えたアンチパターンやデザインパターンを参加者と共有することも出来ます。 また、読書会の本の選定はトップダウンで行うわけではありません。それぞれのメンバーが、それぞれに共有したいあるいは新たに学習したい分野の書籍をピックアップし、多数決によって決めています。その際、書籍の選定は無作為に本選びをしているわけではなく、読書会という場で読まれるべき本を選定し推薦する必要があります。そのため、メンバーは本の内容をあらかじめ目次程度はさらっておく必要があるほか、メンバー自身の自主学習から読書会の本候補が選出されることもあります。特に、ある分野に詳しいリード的な役割のメンバーが1人以上いれば、ある種のジグソー法の様に議論をすることが出来、短時間で効率よく読書会を行うことも出来ます。

継続的な読書会の実施は、チームの底力としての専門性を向上させるのみならず、メンバーそれぞれの自立した学習へのきっかけとなり得ます。

プロジェクトや職種を超えたコミュニケーション

プロジェクトチームや職種におけるチームなど、通常業務だけでは毎日限定的なメンバーとの顔あわせになってしまいがちです。リモートワークが導入される前では、オフィスにおいて、すれ違ったり給湯室や休憩室でチーム外のパートナー(社員)ともコミュニケーションをとる機会がありました。そのようなコミュニケーションは他愛もない会話であることがほとんどですが、中には相手のこれまでに知り得なかった一面を知ることになったり、他チームとの情報交換の場になったりすることもあります。このような場の提供にも読書会は意義をなしていると思います。読書会では技術書だけを読んでいるわけではなく、思考パターンの本や他社事例の本を読むこともあります。こういった書籍に載っている知識は、エンジニアのみならずソフトウェア開発に関わるすべての人に役に立つことも多くあります。エンジニアの集まりから始まった読書会ではありますが、minneの読書会には有志のディレクターも参加しており、しばしば一つの書籍をエンジニア視点とディレクター視点で意見交換をすることなどもあります。この他職種の参加を提案したのは @daiki ではなくメンバーの一人ですが、こういった輪を広げる動きができるメンバー、そしてそれを受け入れることが出来ている環境も日頃のコミュニケーションの成果だと思います。特に弊社では弊社が大事にしている3つのことの一つである「みんなと仲良くすること」が一人一人のパートナーの行動を変容させ、実体を伴っていると思います。

具体的な成果

弊社では普段から多くの読書会が開催されていますが、今回ご紹介した読書会はまだ始めて半年程度の試みです。しかし、すでに具体的な成果として見えてきているものもあります。
一つは、読書会外での知見の共有が起きていることにあります。「この話、ちょうど今朝の読書会でしたんですけど~」、「いまやっている読書会でこういう話を読んだんですけど~」といった会話を読書会以外のミーティングで耳にするようになりました。こうした読書会外での読書内容の共有は読書会のエッセンスを凝縮して自身の属するチームへ展開することが出来ているということに他ならないと思います。
また、読書会では議事録もとられています。この議事録は社内全員がアクセス出来るNotionというプラットフォームで共有されており、読書会を実施して具体的にどういうことを考え思ったのか、どういった知見を得たのかということが記録として蓄積されていっています。この議事録は、後追いで書籍を読む人にとって、読書会を疑似体験するにはとても有用な資料になると思います。
読書会では1冊の本を読み終わったときに振り返りの回をもうけ、読書から得た知見を具体的にどのようなアクションへ繋げるのかということも議論しています。このアクションはその日から実行可能なため、ただ本を要約するよりも行動の変容を生むことにもつながっていると感じています。このアクションの設定も読書会の成果の一つです。

まとめ

良いチームはどこから来るのか、それを考えたときにチームを構成する個の力を伸ばす「読書」という要素と、コミュニケーションによってチーム組織としての力を伸ばす「会」という要素を併せ持つ読書会は、いいチーム組織への近道になり得ないでしょうか。これからも読書会の取り組みを継続してその結果を確かめてみたいなと感じています。