こんにちは。
コーポレートデザインチームのmewmoです。
社内デザイナーのナレッジシェアの場として開催されている「Designer’s MTG(通称 デザミ)」の第13回目。
今回は「Communication Design」のエキスパートスキルエリアのデザイナーに、「マーケティングコミュニケーションデザイン」をテーマにナレッジシェアしてもらいましたので、その様子をお届けしていきます!
これまでのデザミのレポートはこちら
- ユーザーを知るためのリサーチを理解する!Designer's MTG #12 Research編 レポート!
- まずはテクノロジーを知って、遊ぼう。Designer's MTG #11 UX Engineering編 レポート!
- OOUIからユーザビリティテストまで、スキル横断的にUIデザインを見る!Designer's MTG #10 UI Design編 レポート!
- Designer's MTG #9 Information Architecture編 レポート!
- 40人のデザイナーがフルリモートで集合! Designer's MTG #8 レポート!
「デザミとは?」「エキスパートスキルエリアとは?」については、Designer's MTG #9 Information Architecture編 レポート!で紹介していますので、気になった方はあわせてご覧ください。
ナレッジシェアの部
マーケティングコミュニケーションデザイン
まずは、デザイン部デザイン戦略チームのsizuccaさんに、マーケティングコミュニケーションデザインについて社内で共通言語を持つことを目的に、マーケティングを行うために理解しておくべき基礎知識について話してもらいました。
そもそもマーケティングとは何でしょうか?昨年GMOインターネットグループ全体で新卒を対象に行われた研修『GMO Technology Bootcamp 2020』の講座「ブランディング、マーケティング、デザイン倫理」では、マーケティングについて次のように説明しています。
顧客のニーズを解明し顧客価値を生み出すための経営哲学・戦略・仕組み・プロセス
GMO Technology Bootcamp 2020 ブランディング、マーケティング、デザイン倫理(@kotarok)p99
また、マーケティングに内包されるものとして次のようなものを挙げています。
サービスデザイン、プロダクトデザイン、広報(PR)、プロモーション、ブランディングGMO Technology Bootcamp 2020 ブランディング、マーケティング、デザイン倫理(@kotarok)p104
これらを内包するマーケティングを行うためには、ビジネスの理解と顧客の理解、両方の理解が必要だそうです。
まずはビジネスの理解について。サービスにおけるビジネスモデルの型は大きく分けて2つあります。1つはインターネットの時代以前に市場を支配していたビジネスモデル「パイプライン型ビジネス」、もう1つはインターネットの時代以降に興隆しているビジネスモデル「プラットフォーム型ビジネス」です。これらのビジネスモデルについて詳しく見ていきます。
パイプライン型ビジネスは、価値の流れが企業から消費者に向けて一方向で直線的であるのが特徴です。企業が作り、企業が売るという流れですね。ペパボのサービスでいうと、たとえばレンタルサーバー「ロリポップ!」がこの型に当てはまります。このようなパイプライン型ビジネスの構造を視覚的に理解するために、経営学者マイケル・ポーターによって「価値連鎖(バリューチェーン)」という概念が作り出され、次の図のように表されています。
価値連鎖とは、企業が顧客に価値ある製品やサービスを提供するために行う一連の活動であり、その活動は主活動と支援活動の2つに分かれています。主活動は製品・サービスが顧客に到達するまでの、「購買物流」「製造・業務」「出荷物流」「マーケティング・営業」「サービス」などを指します。支援活動には、「調達活動」「技術開発」「人事・労務管理」「全般管理(社内インフラ)」などがあり、すべての支援活動が個々の主活動に関連して価値連鎖全体を支援する構造になっています。
一方、プラットフォーム型ビジネスは、顧客に直接価値をもたらす主活動のサイクルと、その価値創造をサポートする支援活動のサイクルがあり、これらが相互に作用し合う構造になっているのが特徴です。ペパボのサービスでいうと、たとえばオリジナルアイテムの作成・販売サービス「SUZURI」やハンドメイドマーケット「minne」がこの型に当てはまります。このようなプラットフォーム型ビジネスの構造は「価値エコシステム(生態系)」と呼ばれ、次の図のように表されます。
価値エコシステムは、「コア取引」と呼ばれる顧客による主活動のサイクルと、「コア機能」と呼ばれる企業による支援活動のサイクルの2つから成ります。コア取引では、「創造する」「結びつける」「消費する」「対価を支払う」という4つのアクションのサイクルの中で、生産者と消費者がプラットフォームで価値を生み出したり消費したりしています。そしてそのコア取引のサイクルを円滑にするために必要なのが支援活動である「コア機能」です。コア機能では、「オーディエンス構築」「ルールと基準」「マッチメーキング」「ツールとサービス」の4つの機能を提供・実現することで、多くのユーザーが参加し価値交換を円滑に行えるようにネットワークをサポートしています。
2つのビジネスモデルの比較についてはsizuccaさんがまとめてくれた次の表をご参照ください。
パイプライン型 | プラットフォーム型 | |
---|---|---|
ビジネス構造 | 価値連鎖(バリューチェーン) | 価値エコシステム(生態系) |
価値の流れ | 企業が作り、企業が売る | 顧客が作り、顧客が選ぶ |
企業と消費者の関係 | 直接的 | 間接的 |
顧客にとっての価値 | モノの所有 | サービスの使用 |
価値の作り方 | 企業(提供者)だけでつくる | 顧客との共創で作る |
マーケティング | 売れる(価値ある)商品を作る | 継続的かつ発展的な交流ネットワークを作る |
考え方 | 「何を作って売ろうか?」何を作れば世の中の人が喜ぶのか考える | 「どんな場を作ろうか?」誰と誰をマッチングすると世の中の人は喜ぶのか考える |
ビジネスの理解を深めるうえで次の3冊の参考書籍もおすすめされました。
- 『プラットフォーム革命――経済を支配するビジネスモデルはどう機能し、どう作られるのか』
- 『プラットフォーム・レボリューション PLATFORM REVOLUTION――未知の巨大なライバルとの競争に勝つために』
- 『マーケティングプロフェッショナルの視点』
ここまでで詳しく見てきてわかるように、ビジネスモデルによって顧客の価値は異なります。つまり、ビジネスモデルにあわせて必要、あるいは効果的なマーケティングも異なってきます。また、ビジネスを成功させるうえで企業視点ではなく、顧客視点のコミュニケーションデザインがかなり重要になってきます。
そこで次に、顧客の理解について。マーケティングを行ううえで重要となるのがターゲットの設定です。有名なフレームワークであるSTP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)分析では、市場・顧客を年齢や性別、地域、購買行動などさまざまな切り口でセグメントごとに分け、どのセグメントに向けたものをつくって、それをどのような広告を行うか、といったことを考えますが、このフレームワークだけでは抜けている視点があります。それは、ターゲットとなる対象が今どのような状態にあるのか、という視点です。たとえば、私たちのつくるサービスがすでに認知されているか、認知されていないのか、認知している場合興味関心があるのか、さらに利用の検討をしているのかなど、対象の状態によって伝えるメッセージや適切なコミュニケーションのありようも変わります。
そうした対象が顧客となるまでの状態変化を段階(ステージ)ごとに切り分けて図式化したものが、次の図「顧客ステージファネル」です。ファネルとは、日本語でいうと「漏斗」のことで、逆三角形、すり鉢状の形をした器具のことを指します。消費者の購入までの意識遷移をこのファネルに当てはめ図式化したものを、マーケティング用語で「ファネル」と呼んでいます。
先ほど示した図にある新規顧客獲得ファネルでは、認知してから購入に至るまでの流れの中で、顧客の状態を「認知するかどうか」「興味・関心があるかどうか」「比較・検討するかどうか」「購入・申込するかどうか」といった4つのステージに分けて、それぞれの顧客ステージを定義しています。同様に、購入後の既存顧客管理ファネルでは、「継続するかどうか」「支持・紹介するかどうか」「発信・拡散するかどうか」の3つのステージです。これらの顧客ステージはあくまで一般的な消費者の状態変化を表したものなので、実際に顧客ステージファネルを作成する際はサービスごとで最適化したものをつくることになります。
サービスのターゲットとなる対象がどのような状態にあるのか、顧客ステージを段階で区分・定義した後は、次の4つを順に整理します。
- 顧客ステージにあるターゲット対してどのような目的でマーケティングを行うのか
- 次のステージへ進むにあたっての壁やターゲットのペインは何か
- ターゲットにどういう認知をしてもらい、どのような行動を起こしてもらいたいか
- 望ましい認知や行動を引き起こすためにどのようなメッセージを伝えたらよいか
このように顧客ステージファネルをもとに、目的を設定し、課題を整理し、望ましい認知や行動を整理することで、ステージごとの顧客視点でどのようなメッセージを伝えたらよいか考えることができます。広告などメッセージを発信する際には、この顧客ステージファネルを活用することで適切なコミュニケーションデザインが行えそうです。
SUZURI広告のファネルをつくったお話
ここまでの話を踏まえた具体事例として、次はSUZURI事業部のまるさんに、SUZURIでクリエイター獲得広告の運用を最適化する際にディレクターと一緒に顧客ステージファネルを作成したときのことについて話してもらいました。
これまでSUZURIのクリエイター獲得広告を運用するうえで、大きく分けて次の2つを課題点に感じていたそうです。
- SUZURIの広告の具体的なノウハウがたまっていない
- 伝えたいメッセージを届けたいターゲットに適切に届けられていない
今までの運用は社外の広告代理店が持つ一般的なWeb広告のノウハウをもとに、どのような広告を掲載するか決めていました。たとえば、次のような画像で提案した際には、「一般的なWeb広告では暖色のほうが効果が高かった」というノウハウにもとづいて、「暖色の方が効果が高くなる傾向があるので背景色を暖色にしてください」というフィードバックをもらっていたそうです。
しかし、「SUZURI」という文脈のなかで背景色を暖色にした場合にどの程度効果があるのかは明確ではありませんし、色によってブランドを表している場合には一概にそうと言えないかもしれません。また、色ではなく伝えるメッセージや配信対象などを調整することでより効果的な広告運用ができる可能性もあります。たとえば、先ほどの画像では「2分でオリジナルグッズ販売開始」という文言がメッセージになっていましたが、そもそもグッズにするコンテンツを持っていなかったり、または持っていてもそれに気づいていない人にとっては響かないメッセージになってしまっているかもしれません。
クリエイター獲得広告で目指したいゴールは、広告にセールス要素だけでなくブランド要素を入れ込むことで、ブランド訴求を行いファンを増やし、ファンがファンを連れてくることでクリエイター獲得を二次曲線的に加速させていく状態です。そのためには次の2つの視点が重要です。
- SUZURIというサービスの周りにはどのような人たちがいて、SUZURIはそれぞれの層に対してどのようなメッセージを届ければよいのか
- セールス要素に加えてブランド要素でSUZURIのファンになってもらうためには、短期だけでなく中長期的な視点でどのように広告を運用していけばよいのか
これらの視点をもつために役立つのが、顧客ステージファネルです。SUZURIでは、クリエイター顧客ステージファネルと購入者顧客ステージファネルの2つを次の図のように作成しています。
適切なターゲットに適切なメッセージを届けるため、ターゲットをステージごとに整理したうえで、そのターゲットが持つペイン、ターゲットに引き起こしたい認知・行動、SUZURIが届けたいメッセージ、それに適したメディアなどをデザイナーとディレクターとで一緒に整理したそうです。たとえば、顧客ステージファネルの「コンテンツを持っていない・気づいていない」層については、次のように整理しています。
- 顧客ステージファネル
- コンテンツを持っていない・気づいていない
- ターゲットの持つペイン
- コンテンツを作るハードルが高い、コンテンツとみなすハードルが高い
- 引き起こした認知・行動
- 実はもう私はコンテンツを持っている
- SUZURIの広告が持つメッセージ
- あなたが日々生活しているなかで、実はたくさんのコンテンツが生まれています。私たちはそれを大切にします
- 適したメディア
- 動画
実際に顧客ステージファネルを作ってみたことで、顧客ステージファネルをもとに引き起こしたい認知・行動を整理し、そのために伝えるべきメッセージを考えられたので、スムーズに広告の方針やメッセージなどを決められたそうです。顧客ステージファネルを作ったことでチームメンバーの間でしっかり行いたい広告運用を視覚化できたので、具体的な広告の表現方法を考える際もイメージ共有やアイデア出しも円滑でとても役立ったとのことでした。
また今回顧客ステージファネルを作った際に、伝えたいメッセージがクリエイターと購入者とで連動する部分がある、という発見があったそうです。たとえば次の図のように、「コンテンツを持っていない・気づいていない」クリエイター層に向けた「あなたが日々生活しているなかで実はたくさんのコンテンツが生まれています。私たちはそれを大切にします」というメッセージと、「既製品を選びがち」な購入者層に向けた「誰かのコンテンツはあなたの生活をもっとおもしろくします」というメッセージは、意味的に連動する部分があります。この連動はSUZURIがプラットフォーム型ビジネスであることにも起因していますね。それぞれの層に個別に広告を発信するのではなく、SUZURIの価値を伝えるうえで両者に対してブランド訴求を行うメッセージの伝え方を模索できるかもしれません。
このようにSUZURIでは、顧客ステージファネルの全体を整理することで、中長期的な視点での広告運用を可視化し具体的なメッセージを検討できました。サービスにとってより効果的な広告運用が行えるので、ぜひ他のサービスでも真似していきたいです。
minneのテレビCM
続いてもうひとつの具体事例として、minne事業部のまいどんさんから、minneのテレビCMにおけるメッセージの決め方とディレクションについて話してもらいました。
まずはメッセージの決め方について。このテレビCMのゴールは、新規層に向けたminneの認知拡大です。当時minneの顧客ステージファネルは1つ前のSUZURIの事例のようには整理されておらず、テレビCMのメッセージを考えていたときは次の図のようにざっくりと「minneを知らない新規層」をターゲットにしていました。
この状態から、「新規層の中でもどのようなターゲットに絞るのか」「そのターゲットはどのようなペインを持っているのか」「そのようなペインを持っている人にはどのようなメッセージを届ければよいのか」といったことを深堀りしていき、その過程で根本的な問題が見えてきたそうです。それは、minneの価値を伝えるよりも前に、minneが考える「ハンドメイドマーケット」と世間でイメージされている「ハンドメイドマーケット」とでイメージに乖離があることでした。
世間でイメージされている「ハンドメイドマーケット」
- ナチュラル、ほっこり、かわいい、サブカル、女性っぽさ、お母さんぽさに偏ったイメージ
- 自分の手だけを使って作ったアマチュアリズム的な作品しかない
- 「マーケット」の言葉通り、ただハンドメイド作品の売り買いが行われる場所
minneが考える「ハンドメイドマーケット」
- ユニセックスで多様なテイスト、食品なども加えたより幅広いカテゴリーが集まる
- 自らの手で作り上げる作品のほか、誰かと協働して作り上げた作品、デザインツールや3Dプリンターなどのテクノロジーを駆使した作品、伝統的な職人技の詰まった作品など、制作背景においても多様性が伺える
- 売買だけではなく、コミュニケーションや新しいインスピレーションが生まれる
こうした気づきから、minneの認知を拡大させるには、まず「ていねいなminneの自己紹介」が必要であることがわかりました。そこで、次のようなメッセージを伝えることに決めたそうです。
はじめまして。「ハンドメイドマーケット」minneです。いろんな人が作ったいろんな作品が集まっていて、そこには作る人のこだわりや偏愛があります。あなたにも自分の好みやこだわりがありますよね? ぴったり来るものが見つかるかも。そして、minneにとっての「ハンドメイドマーケット」の意味と、一般的に知られている「ハンドメイドマーケット」の意味は違うんです。
minneにとっての「ハンドメイド」はこんな意味です
自分の手だけを利用して作ることはもちろん、一部の工程で生産ラインを利用しても、ブランドやメーカーの商品であっても、ものづくりにとことんこだわった背景、作り手の想いがあれば、minneはそれを「ハンドメイド」と呼びます。
minneにとっての「マーケット」はこんな意味です
ハンドメイドを通じて様々な「好き」を囲み、人と人の間には作品の売買だけでなく、コミュニケーションやインスピレーションが生まれます。そこにいる人々がいつもよりもクリエイティブに、自分の「好き」に素直になれる。それがminneの「マーケット」です。
あなたがminneを使うことで、自分の「好き」が見つかったり、ちょっと生活が変わったり、いいことが起きるかもしれません。
顧客ステージファネルを意識して「こういうステージの人たちを、こういうステージにする」というように考えることで、解決すべきポイントを見極めメッセージを考えることができた事例でした。
次にディレクションについて。まずは先ほど決めたメッセージにもとづいて、そのメッセージを伝えられるシーンのアイデア出しを行い、それぞれのシーンでアピールしたいポイントに適した作品を選定したそうです。
実際に出されたシーンのアイデアはこのような感じでした。
- 若い女性が届いたばかりの切子を手にとってにんまりしている
- あえて若い女性と切子を合わせる意外性を与え、多様な価値観を肯定する姿勢を示す
- 切り子という伝統的な職人性を伺える作品のアピール
- 家族がちょっとイイ朝食でおうちカフェを楽しんでいる
- 食品カテゴリー訴求のメインシーン(料理役はお父さんにすることでステレオタイプを回避)
- minneで日常をアップグレードすることにより生まれるコミュニケーションを表現
- 家のこだわりの空間でソファに腰掛け、まどろんでいる
- 家具・生活雑貨カテゴリー訴求のメインシーン
- minneで日常をアップグレードすることによる個人的満足感を表現
- 観葉植物のお世話をして写真を撮ったり愛でている
- ニッチな、またはこだわりある選択に対する肯定の姿勢を示す
- キャンプで友人とこだわりのコーヒーを囲んでいる
- コーヒーという趣味性の高い作品のアピール
- アウトドアのカットで、minneが影響を与えるシーンや作品の多様性を示す
- minneの作品を通して生まれるコミュニケーションを表現
ここで実際に制作したテレビCM(30秒ver.)をご覧ください。
動画の冒頭で一瞬だけ登場するアプリでのグラスの検索画面も、minneから発信したいメッセージに合わせて作品を選定し、Photoshopで画像編集したものを当てています。一瞬でも詰めが甘い箇所や矛盾している箇所があると、違和感として記憶に残り、メッセージ向くはずの意識を削いでしまうからです。細部へのこだわりがあってこそメッセージは強い力を得る、というのがディレクションを行ううえでの気づきのひとつだったそうです。
また、テレビCMのディレクションにともなって、着地点となるタッチポイントのディレクションも並行して行ったそうです。どんなにテレビCMにメッセージを織り込んでいたとしても、実際にminneのページやアプリを見たときにテレビCMを見ての想像と違う印象を持ってしまったら良い体験にはなりません。なので、存在するチャネルを整理して着地点となるタッチポイントを洗い出し、メッセージに矛盾せず相乗効果を生み出すようにそれぞれのタッチポイントをアップデートしています。
たとえば、minneのTOPページは次の画像のように、テレビCMで織り込んだメッセージに合わせて使用する画像、文言などがアップデートされています。
タッチポイントの洗い出しを事前に行なったことで、タッチポイントのアップデートに必要な素材を確保するためにテレビCM撮影の際にスチル撮影を依頼することもできました。テレビCMのディレクションに合わせて具体的なアップデートの方針も決定できていたので、欲しいシーンやアングルのラフを用意して現場でディレクションすることができたそうです。
顧客ステージファネルを意識することで本当に伝えるべきメッセージを明確にし、さらに広告だけでなく顧客の体験全体のなかで一貫したメッセージを届けることがより効果的なマーケティングコミュニケーションにつながるという学びを得られました。
自由LTの部
新しく入社したデザイナーの自己紹介
最後に自由LTでは、昨年新しくペパボのデザイナーとして入社したEC事業部のよったけさんと、minne事業部のたるたるさんのおふたりに自己紹介LTをしてもらいました!
前職がフロントエンドエンジニアということでエンジニアリングスキルの高いよったけさんと、高いアウトプット力をもち趣味で404ページの収集ギャラリーサイト「40404」を公開しているたるたるさん。
心強い仲間が増えて、よりペパボのデザイナーの中で高めていけそうな予感がしました。今後もよろしくおねがいします!
まとめ
以上、第13回目デザミの模様をmewmoがお届けしました!
今回、顧客ステージファネルという手法を用いることで、顧客視点でサービス全体を捉え、サービスのブランドや価値にもとづいて一貫した体験の提供につなげられることがわかりました。広告において役立つのはもちろんですが、あらゆる施策のなかでも役立ちそうなので、今後も意識していきたいです。
さて、次回のデザミは2021年4月頃開催予定です。第14回目のレポートもお楽しみに!
それではまた!