Pepabo Career 今日話したこと

ペパボの採用面接で聞いている質問と目的

Pepabo Career 今日話したこと

執行役員 VP of Engineering 兼技術部長の @hsbt です。このエントリは GMO Pepabo Managers Advent Calendar 2019 の 12/4 のエントリです。

GMO ペパボでは、より良いマッチングのために、エンジニアの採用面接を毎日少しずつアップデートしています。詳細については以下のエントリをご覧ください。

今回、制度面ではなく、面接官として参加している私が面接という場で取っている行動とその目的について紹介します。

私は、執行役員 VP of Engineering/技術部長という立場から、新卒採用においては CEO の最終面接の直前の面接、私自身の管掌範囲としての技術部の中途採用においては最終面接を担当しています。早速ですが、最近1年くらい必ず聞いてる三つの質問があります。

  1. これまでにやったこととその結果どうなったか

  2. 開発をしている中で楽しい時ってどんなときですか

  3. 最近気になっている技術や業界の動向について教えてください

それぞれの質問について目論見を以下に紹介します。

1. これまでにやったこととその結果どうなったか

現在の所属組織であったり、大学でやってきたこと、すなわちアウトプットの有無を述べてもらうということは専門職の採用面接ではよく行われることと思います。

しかし、私が面接をする場合、応募者のアウトプットがある、ということは専門職としてあたり前なので、その上でアウトプットをするに至った課題設定や、アウトプットの結果、チームや組織がどう変わったかという点を特に重視しています。

余談ではありますが、私が面接に臨む場合、GitHub などのようなプラットフォームへの OSS のアウトプット、国際学会などへの論文投稿やカンファレンスへの登壇などオープンなアウトプットは周囲への影響を検討しやすく選考通過の判断の材料として有用な場合が多いです。一方で、社内システムの開発など、クローズなアウトプットは周囲への影響を判断することが難しいため、履歴書などへ「自身が動いた結果、組織がこうなった」ということを記載または、面接の際に述べていただくことが多いです。

2. 開発をしている中で楽しい時ってどんなときですか

開発をしている中で技術やプログラミングに関連する事項のうち、時間を忘れて没頭するようなことを述べてもらいます。この質問には、その人のモチベーションの源泉を聞くという狙いがあります。

これまでに面接をしてきた中で、ある人は、他の人が困ってることを解決する、ある人はコードのスタイルを揃えるなど、様々な回答があり自分自身にとっても新しい発見がいつもあります。

この質問は、テストを書いてある時が楽しいエンジニアは通過、というような事業に繋がっている回答を求めているのではなく、専門職としてゾーンに入って集中するようなタイミングについて本人が自覚しているか、という点を重視しています。

3. 最近気になっている技術や業界の動向について教えてください

この質問はフロントエンドや serverless などの広い領域から、具体的なソフトウェアやアルゴリズム、時事ネタなど、応募者が関心を持っていることを尋ねています。単に関心の内容を聞くだけでは、選考としての判断は行えないので、付随して情報の収集方法、なぜ気になっているのかなどを合わせて聞く場合が多いです。

この質問も最新の技術動向を追っているから良い回答、という訳ではなく、自分が興味を持っている領域があり、その領域に対して継続的に情報を収集しているかどうか、ということを問いかけています。

質問の意図と背景

以上、簡単に三つについて紹介しましたが、いずれも A か B かを聞いて A を答えれば正解、通過、というものではありません。特に 1 は経験とその経験に対する結果の認識を重視した質問になっていますが、2 と 3 は経験ではなく、応募者本人の特性による部分が大きいです。

ペパボの HR 部門から紹介された服部 泰宏著「採用学」によれば、採用面接では入社後に変えることが可能な能力や経験よりも、創造性や情熱など、入社後に変わりにくいことを引き出して判断することが重要らしいです(まだ読んでないため引用は控えます)。

私個人も上記の主張には同意します。OSS をやってきたかどうか、というのは入社後からでもいくらでも取り組むことは可能ですし、英語ができるかどうか、も訓練すればいいだけのことです。むしろ、OSS をなぜやっているのか、どこが面白いと思うのか、何を課題と感じているのか、このような点を面接という少ない時間の場で引き出すことで、ペパボという会社で成果を出して活躍できるかを見極めていきたいと考えています。

以上、@hsbt が採用面接で必ず聞いている質問と、その質問の意図について紹介しました。明日 12/5 は SUZURI 事業部の @atakaP の出番です。お楽しみに!