デザイン アプリ 登壇レポート

「UIデザインは誰のもの?」について話したこと

デザイン アプリ 登壇レポート

はじめまして。ハンドメイドマーケット minneでアプリのUIデザインをしている@naomeme です。

先日プロトタイピングツールProttのイベントで「UIデザインは誰のもの?」というテーマで発表したので、そのことを書きます。

発表したイベントについて

発表したのはPrott User Meetup vol.11 -Google Playベストアプリ特集-というイベント。Prottのヘビーユーザーから「実はあまり知らない…」という人まで、業種もさまざまな人が集まります。毎月開催されていて、気軽に参加できる雰囲気だったのでUIデザインに興味のある方はぜひ。

Prottってなに?という人のために。
Prottは誰でも簡単に、すばやくプロトタイプを作ることができる便利なツールです。現在たくさんのプロトタイピングツールがありますが、その中でもProttはチームでコミュニケーションしながらUIデザインを作っていく部分に特化したものです。
ペパボは昨年からこのProttを導入しています。

今回はベストアプリ特集ということで、2015年にAndroid版アプリが Google Play ベストアプリのひとつに選ばれたminneも参加させていただきました。

こんな発表をしました

今回私は「アプリのUIデザインをチームのみんなでいい感じに作っていくにはどうしたらいいのか?」について考えたことをお話しました。

もともと社内の他のサービスでWebのデザインを担当していた私は、minneに配属されるまでアプリのUIデザインについてまったく素人でした。そんな私が悩んで動いてだんだんいい感じになるお話です。

この時の発表資料がこちら。

「いろいろな視点」は育つもの

わかってない図

資料の中にある、まだまだ視点が少なくて、ぜんぜんわかってない時の私を表した図です。「わかりやすい?」のところが薄いです。つまりデザインするときにその視点がぽっかり抜けています。正確には「わかりやすさ」を意識しているつもりだったけどできてなかった、でした。自分では考えてるつもりだったからです。

この時考えていた「わかりやすさ」は、つまり「自分の視点から見たわかりやすさ」です。 もちろん他人にとっての「わかりやすさ」をすべて理解することは不可能ですが、レビュー会やユーザーテストを重ねていくと「他人にとってのわかりやすさ」の視点がいくらか身についてきます。

ほかの視点も同じく急に現れるというよりはだんだん育っていくものだと思うので、より多くの違ったフィードバックを継続的にもらうことが大切です。

しかし、多くのフィードバックをもらえることは嬉しい反面、大変でもあります。すべてを叶えようとしてズブズブと泥沼にはまってしまった経験はきっとみなさんもあると思います。

基本的には、フィードバックはたくさんあった方がよいです。なので「みんなでデザインを作っていく」やり方をとる場合は特に、たくさんのフィードバックを整理して、よりよい形にしていくところがデザイナーの腕の見せ所なのだと思います。

レビュー会とは

私は成果物を複数人に、その場で見てもらうこと全般を「レビュー会」と思っています。 基本的にはデザイナーが「見てほしい」とお願いするところからはじまります。

集まった人に見てもらいながら出てきたフィードバックをメモってissueに書く。そこから「今回やる」「やらない」「次やる」くらいの振り分けをします。ここから「今回やる」ものをタスクに落とし込んで、ブラッシュアップしていきます。

MTGのように担当者だけで細かいところを見るレビュー会もちろん大切ですが、自分が担当しているものってだんだん新鮮な目で見るのが難しくなってきます。そういう時に、夕会とか机のまわりでのレビュー会が効いてくるのだと思います。

「みんなで同じものを見て話すこと」について

資料ではみんなで同じものを見て話すとよいこととして以下の4つを挙げました。

  • 意識のズレがなくなる
  • 意見を言いやすい
  • 話の内容が具体的になる
  • 次にやることがはっきりする

この中でも、私が特によいと思うのは「意見を言いやすい」ことです。デザイナー以外のメンバーがデザインについて文字でコメントするのはちょっと敷居の高いことかもしれません。

しかしその場で同じものを見ながらやいのやいの言える状況だと、本来ならばこぼれ落ちてしまうようなフィードバックも拾いやすくなります。これがよいUIデザインを作るために違った視点を取り入れよう、という時にとても大事なのだと考えています。

なぜこのテーマを選んだのか?

今回お話したことはUIデザインに関心のある方からすると「なにを今さら〜」と思われる内容なのだと思います。今やUIのデザインにプロトタイピングは欠かせませんし、その流れで「みんなでデザインすること」がよいものづくりに繋がるという考え方ももはや当たり前かもしれません。

「なぜプロトタイピングするの?」という時にはよく「開発効率が上がる」とか「プロダクトのクオリティが上がる」と言われます。とてもいいことです。

しかし私はその「いいこと」の裏側にある「なにがどうなってそういういいことがあったの?」という話をしたくて、このテーマを選びました。

まとめ

デザイナーとして、チームの一員としてUIデザインとどう関わっていくといいの?というお話でした。みんなでUIデザインに関わることは、みんながそのプロダクトに深くコミットできるということでもあるので、そういった場面の中心になれるデザイナーという仕事はとても楽しいものだと思います。

また、今回登壇するのをきっかけに自分がどんなことで困って、それをどうしたのかというプロセスを言葉にしてみたら新しく気づくことがたくさんあって面白かったです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。