「実質メソッド」を活用したら目指していたキャリアを実現できた話

技術部技術基盤グループの @rsym1290 です。 みなさんはエンジニア、そして社会人として、日々成長していくために様々な取り組みをしていると思います。 成長のためには目標は欠かせませんが、同時にその目標を達成していくにはどうすると良いか悩んでいる方も多いと思います。 ペパボでは一人一人が目標を達成するための手段として「実質メソッド」を活用しています。 この記事では「実質メソッド」を通じてペパボのエンジニアがどのように目標を掲げて行動し、成長しているのか紹介します。

「実質メソッド」とは

「実質メソッド」とは、「自分は実質〇〇です!」と自分の目指す姿をあえて"既にそうなっている前提で宣言"し実質的にその役割を担っているつもりで行動することで、目標達成と成長を加速させるためのアプローチです。 ペパボではこの「実質メソッド」の活用が推奨されています。 @kurotaky によって特に実践されており、ペパボのエンジニアはこれを手本として実践しています。

ペパボでは「実質メソッド」を活用して「2025年は実質〇〇です!」とチームや関係者に宣言して、その実現に向けた行動を起こしています。 例えば、私は「実質エンジニアリングリード」と宣言していました。 この宣言を通じて「エンジニアリングリードとしての理想的な姿・振る舞い」は何かを考え、「自分の強みはエンジアリングリードとしてどう活かせるのか?足りないものはなんだろうか?」という部分の解像度を上げることができます。 解像度を上げることで、宣言したものを実現するためのアクションが明確になって、実質ではなく本当にその役割を担えるようになっていきます。

また、自分の中で解像度が上がるだけではなく、周囲が自分に対して期待することにも影響を与えることができます。 実質メソッドでの宣言を通じて関係者が自分が何を目指しているのか認識してくれるので、「この人には〇〇を期待したい、〇〇のことならこの人の力を借りたい」という、周囲が自分に期待することも明確になります。 結果、周囲からの期待を通じて自分の役割を自覚し、遂行する覚悟を持つことができます。

一見すると「実質メソッド」は、ただの目標宣言に見えるかもしれません。 目標宣言との大きな違いは「将来こうなりたい」ということに加えて、「すでに自分は(実質)〇〇である」と既になっているかのように振る舞う前提にあることです。 先に自分を変えてしまうというアプローチによって、自身の行動・周囲の見方を変えていき、結果として目標の実現に結びつけるのが「実質メソッド」です。

LT会で「実質メソッド」を活用

私は現在、技術部技術基盤グループに所属しています。 当部署はペパボが提供する様々なサービスのプラットフォームを支える部隊です。 サービスの安定運用に加え、信頼性・可用性の向上、事業部のパートナーの生産性を高めるためのプラットフォームを提供する役割を担っています。

2025年1月に当部署の組織編成があり、これまでサービス単位で構成されていたチームを解消し、グループ全体を一つのチームとして再編しました。 組織編成前は、同じ部署でもメンバーによってコミュニケーションの濃淡がありました。 もちろんこれまでも部署のメンバーが全員集まり会話する場面もありますし、好きな技術スタックについて日々会話してきましたが、同じプロジェクトでの密な連携が限られていたのが現状でした。 組織編成を機にこれから一緒に仕事をするのであれば、まずは人となりを改めて詳しくを知りたいと思いました。

そこで私が考えたのが新体制メンバーでのLT会でした。 「自分はこんな人です」「こんな仕事してきました」「2025年はこういうことをやりたい」「こういう自分になりたい」 という各々の思いを全員が発表しあうことで、知らない一面を知ることができたり、協力関係を築きやすくなるという狙いです。 そしてこのLTのお題として「2025年は"実質〇〇"」を設けました。 技術基盤グループのメンバー全員に何らかの目標を立ててもらい、それ「実質メソッド」を通じて宣言してもらいました。 これにより、各位の目標が明確になるだけでなく、メンバーがお互いにその人の目指している姿を脳内同期できます。 その人とどう仕事をしていけば良いのか、どのような技術領域であれば積極的に協力を仰げるか、明確になりチームとしてのシナジーが生まれるのではと期待しています。

参考までに私 @rsym1290 のLT資料を公開します。 一部社外秘情報は伏せていますが、実際の発表時に使ったものとほぼ同じ内容となります。

2025年4月1日にエンジニアリングリードに就任しました!

実質エンジニアリングリードと宣言したら、約2ヶ月後に本当にエンジニアリングリードになりました。 正直なところ、こんなに早く実現すると思っていなくて逆に驚いています。

エンジニアリングリードに就任した経緯や所信表明は私の個人ブログで公開しています。 そちらも読んでいただけると幸いです。

エンジニアリングリードに就任しました - rsym’s diary

まとめ

当記事では以下のお話をさせてもらいました。

  • 実質メソッドを通じて、自分の目指す姿を明確にし、成長につなげる
  • チーム内LTで実質メソッドを共有することで、メンバー間の認識を揃え、シナジーを生み出す

実質メソッドを活用した宣言の場はたくさんあります。 Slackなどのチャットツール、GitHubのissue、日々の日報、LT会、さらにはSNSやブログで発信することもできると思います。 皆様もぜひ自身・チームの成長のために実質メソッドを活用してみてはいかがでしょうか?