notion service 情報共有 新卒10期ブログリレー

朝の会でテンプレートを活用している話 #Notionのある生活

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はじめに

技術部コーポレートエンジニアリンググループ(以下、CEG)の@komatunといいます。この記事では、CEGにおける「朝の会」の取り組みと、Notionの活用事例を紹介します。

20卒の新卒メンバーでブログリレーをしています。前回はやまちゃんの「新卒エンジニアがminne事業部で初のフロントエンドエンジニアとして働く」でした。

  1. はじめに
  2. 課題
  3. 朝の会
  4. うまくコミュニケーションをとるための工夫
    1. 場の設定をする
    2. タスクを目の届くところに置く
    3. みんなで見守る
    4. 伝えたい人に届ける
  5. まとめ

課題

2020年は、CEGにとって変化の一年でした。新卒入社(@komatun)・中途入社・異動を含む6名のメンバーがチームに加わり、いままでの少数精鋭のチームから、いくつかのサブグループをもつ一回り大きなチームへ育ちました。2020年はテレワークを基本とした勤務体制へと移行した時期にもあたります。

3人ほどの少数精鋭チームだった頃から、チーム全員が出席する週次のミーティングがおこなわれており、チームタスクの整理や困りごとの相談がなされていました。週次のミーティング、プロジェクトごとのミーティングのほか、SlackやGitHubなどのツールを用いたテキストコミュニケーションも積極的に行われていましたが、コミュニケーションが滞りなくうまくいっているといえない状況でした。

CEGでは、新しい日次の取り組みとして「朝の会」を導入しました。朝の会を始めた背景について、発案者の@june29が以下のように伝えてくれました。

メンバー全員が自走できて作業分担もうまくいっているチームなら、毎日の集まりは必ずしもなくてもよいと思っています。当時は、新しい仲間が次々と参加してチームが「若い」状態だったので、誰も宙ぶらりんにならないようにチームの過ごし方を工夫したいと考えていました。オンボーディングやチーミングを進めるうえで、チームが毎日顔を合わせる「場」の存在が効果的と考えて、朝の会を導入しました。また、全社的な在宅勤務になったことで、こうした場のありがたみが相対的に増しているようにも感じています。通勤がなくても「毎日のリズム」をつくるポイントになりますし、能動的に機会をつくらなくても「誰かと雑談する場」があるのは心強いですね。なお、ペパボにおける「朝会」は人によっては「ああ、あの朝会ね」と想起してしまうものがある呼び方だと思っていて、あまり先入観を持ってほしくなくて、朝に集まる会としてプレーンな「朝の会」と呼ぶところから始めてみました。

朝の会

朝の会の議事録を残す場所にはNotionを採用しています。Notionは、新しいページを作成するときにカスタムテンプレートを適用することができます。類似の機能をもったツールは他にもありますが、Notionの柔軟性が決め手となりました。

朝の会は2020年10月から開催しており、2021年3月には100回目を突破しました。朝の会を始める前と比べて、コミュニケーションが活発になるとともに「チームとしての一体感」を共有できるようになりました。単に朝の会を毎日やったからコミュニケーションがうまくなったというよりは、Notionのテンプレートを活用することで自然と対話を引き出せたと考えています。

CEGの朝の会でNotionのテンプレートをどう活用しているのかについて、例を交えながらいくつかの工夫を紹介します。定例ミーティングの過ごし方や、テレワークでのチームのコミュニケーションに悩みを持っている方へ、この記事が助けになれば嬉しいです。

うまくコミュニケーションをとるための工夫

朝の会は30分とっていて、参加者はアジェンダに沿って一人ひとり話します。アジェンダは大まかに以下の通りです。

  • 当日やること
  • 共有したいこと

テンプレートがなくても朝の会を進行できそうではありますが、Notionの機能を活用し、情報量を追加してあげると、より対話を引き出せます。

場の設定をする

アジェンダからは逸れますが、会のはじめに場の設定をしておくとスムーズに進行できます。テンプレートには、朝の会のルールを簡単に明記しています。

  • 話す順番
  • 司会は誰か
  • 何時何分から始めるか

話す順番

話す順番を決めておくと、安心して話を進められます。毎回決まった順番にする、ランダムな順番にするなど、話す順番を決める方法はいろいろありそうです。RubyではArray#shuffleを使うと要素をランダムに並び替えることができますね。

順番決めは人間がやらなくてもよい処理ともいえます。朝の会では、Slack Workflowを使って定時に通知させています。処理を自動化させて、考えないといけないことを減らしています。

話す順番を通知するSlack Workflowの画像

Slack Workflowには独自で開発したStepを組み込めます。要素をランダムに並び替えるStepを@ruelleと@june29の二人が作ってくれました。

司会は誰か

司会は毎回入れ替えています。朝の会では話す順番をランダムで出しているため、話す順番の先頭の人が司会を担当するルールにしています。テンプレートに従って毎日同じ手順でおこなうので、朝の会に何回か参加するだけで、誰でも自然と司会進行ができるようになります。

何時何分から始めるか

定例の時間になってもメンバーが集まらなくて会を始めることができない…と困った経験はありませんか?開始時間を定めるのは、小さいことながら大切だと考えています。メンバーが遅れて参加することになっても、時間ぴったりに始めることができます。

タスクを目の届くところに置く

アジェンダの一つ目は「当日のやること」の共有です。当日やることを考えるにあたっては、チームのタスクが今どれくらいあって、何をやる必要があるのかも事前に知っておきたくなるでしょう。

NotionにはLinked Databaseという、別のページのDatabaseをリンクして表示する機能があります。CEGでは「チームの当月のタスク」をDatabaseで管理していて、朝の会のテンプレートには、チームの当月のタスクをLinked Databaseとして埋め込んでいます。

Linked Databaseの画像

朝の会の議事録を開くだけで、「チームの当月のタスク」を確認できて便利になります。チーム全員の目に毎日触れるため、月のタスクをやり残してしまうことがなくなりました。

みんなで見守る

アジェンダの二つ目は、「共有したいこと」です。連絡事項、質問、相談などさまざまな話題が取り扱われることを想定しています。誰を対象に話しかけているかをもとに以下のように分類し、アジェンダに組み込んでいます。

  • 全員に話したいこと
  • 特定の誰かに話したいこと

「全員に話したいこと」の時間では、全体への連絡事項の共有のほか、定期的に複数の人の目を通しておきたい対象の棚卸しもおこなっています。

CEGにとっては、ペパボのパートナーから寄せられる依頼や相談がそれにあたります。依頼や相談はIssueやPRの形でGitHubのリポジトリに集約しており、朝の会のテンプレートにはリポジトリのURLをリンクさせています。朝の会ではリポジトリの中身をみんなで確認する時間をとり、内容に合わせて担当の割り振りもおこなっています。誰か一人が頑張るのではなく、みんなで見守ることで、依頼や相談がこぼれおちることを防いでいます。

伝えたい人に届ける

質問や相談をする際には、適切な人に適切なボールを投げかけることで早期解決に役立ちます。「特定の誰かに話したいこと」の共有にあたっては、Databaseのプロパティを工夫すると「誰が」「誰に」呼びかけているのか視覚的に分かりやすく示すことができて、対象の人にNotionの通知で伝えることもできます。

Databaseの画像

日次のミーティングで質問や相談が活発におこなわれるようになり、「朝の会では当日のことを話して、週次のミーティングでは中長期的な話をする」といった動きができるようになりました。

まとめ

ここまで、いくつかのテンプレートの工夫を紹介しました。

  • ルールを定めて場の設定をする
  • チームタスクを目の届くところに置き、タスクの漏れをなくす
  • 属人化を防ぐために、みんなで見守る
  • 質問や相談は伝えたい人に届ける

実際のテンプレートはこのような感じになっています。

テンプレートの画像

紹介したNotionの機能の詳細については、オフィシャルガイドを参照してみてください。

朝の会のテンプレートは最初から仕上がっていたわけではありません。簡素なものから始めて、「こういう時間の使い方をするとよさそうだな」と感じるものをテンプレートに取り入れていった結果、今の形となりました。今後も変化を続けていくだろうと思います。すべてのチームにこのテンプレートを導入して欲しいとはまったく思っていなくて、わたしたちと同じように、簡素なものから始めることを強くおすすめします。「テンプレートに工夫を加える」行為によって、メンバーそれぞれがチームの過ごし方に自覚的になることが大切だからです。

テンプレートは、プロセスを構造化した成果物です。プロセスを構造化すると誰でもそのプロセスを実行できるようになるので、「〇〇さんがお休みだから、朝の会がうまくいかなかった」といった体験をしなくてすむようになります。

テンプレートを工夫することで自然と対話を引き出し、CEGのコミュニケーションはより活発になりました。チームの動きがわかるようになり、気軽に相談しやすくなったと感じられ、結果としてチームとしての一体感が生まれました。

今後の展望としては部署をまたいだコミュニケーションをとれないかを模索しています。たとえば、他部署メンバーがCEGの朝の会を見学できるようにしてみたり、逆に他部署の定例ミーティングに参加してみたりするとどうかと検討しています。日次だけでなく、週次や月次の取り組みについても改善を続けていきます。