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中途入社のパートナー向けにペパボカクテルを開始しました

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執行役員 CPO (Chief Productivity Officer)兼技術部長の @hsbt です。

今年からペパボのエンジニアリングを統括する立場(技術担当執行役員)に就任したので、ペパボで実行されているエンジニアリングマネジメントの取り組みについてテックブログで発信していくことにしました。

ペパボカクテルとは

これまでペパボでは、中途入社していただいたエンジニアを支援するメンターや立ち上げプログラムの決定は、全てを事業部の CTL(Chief Technical Lead)が中心となって作成し、事業部ごとに進めて来ました。事業部ごとに施策を決める方法は、意思決定を迅速に進めることができる一方で、配属されたエンジニアによって経験に偏りが発生してしまうという問題、いわゆるサイロ化という課題もありました。今回、これらの課題を解決しつつ、メリットとしての意思決定も維持した、全社統一の Onboarding プログラムを作成しました。それがペパボカクテルです。

ペパボカクテルという名前は「組み合わせが多いほど、見た目も味も楽しいでしょう」というコンセプトで技術部 CTL の @tnmt が名付けました。すでに事業部で取り組みとして存在している Onboarding プログラムを改めて、ペパボカクテルとして取り組むことにしたきっかけとしては二つあります。

一つは以前にペパボでも活躍していた @glidenote さんが公開した Kaizen Platformで行っているOnboardingプロセス - Kaizen Platform 開発者ブログ を読んで、素朴に面白そうだな、と感じたこと、もう一つは、@kentarow 社長より、ペパボに入社していただいた人には「成長を支援し、文化を理解してもらい、活躍してもらう」のを忘れないように、という Slack でのやりとりで、「そういえばエンジニア組織への個人の統合の取り組みが最近欠けていたな…」と内省したことがきっかけです。

ペパボカクテルの対象とする組織の範囲

ペパボカクテルでは入社したエンジニアが、ペパボの一員として自覚できるために以下の領域を定義し、それぞれについてプログラムを実施することにしました。

  • 配属される事業部
  • エンジニア組織
  • 会社

以降、事業部とエンジニア組織の領域においてエンジニアが組織に溶け込めるためのプログラムを紹介します。所属や職種を越えたペパボという会社への社会統合はどうすればいいんだろう…というのは継続課題なので成果が出次第報告させていただきます。

具体的な取り組み

事業部で行われるプログラム

ペパボカクテルでは事業部への統合を実現するために、「メンターの決定」、「懇親会の企画」、「やっていきシートの作成」、「ふりかえり」の4つを行うことにしました。やっていきシートとは、先の Kaizen Platform さんで使用しているフォーマットを参考に、ペパボでよく使われている用語である「やっていき」という言葉に置き換え、入社していただいた方が「ペパボでやっていきたいこと」を書いてもらい、そのやっていきの実現に向けてメンターや CTL が支援するという取り組みです。以下にやっていきシートのフォーマットを紹介します。

# ペパボで私がやっていきたいこと

xxxx を実現する。

## 1ヶ月後の目標

1. xxxx できるようにする

- できるようになるために具体的に何をやるか
- 二つ目
- 三つ目

できるようになってると何が嬉しいか、背景を書く

## 2ヶ月後の目標

1. xxxx できるようにする

- できるようになるために具体的に何をやるか
- 二つ目
- 三つ目

できるようになってると何が嬉しいか、背景を書く

## 3ヶ月後の目標

1. xxxx できるようにする

- できるようになるために具体的に何をやるか
- 二つ目
- 三つ目

できるようになってると何が嬉しいか、背景を書く

# 振り返り

## Month 1

TBE

## Month 2

TBE

## Month 3

TBE

# ランチの記録

|日付|一緒に行ったエンジニア|行った場所|話したこと|
|4/1|@antipop , @hsbt|Yours|やっていきについて|

エンジニア組織で行われるプログラム

事業部と同様にペパボのエンジニアリング組織へも入社された方が統合できるように「社内の技術発表会での自己紹介」、「CTO である @antipop との 1on1」、「VP of Engineering である @hsbt との 1on1」、「スケジュールランチの開催」の4つを行うことにしました。

スケジュールランチについてはペパボで利用している GHE の API を利用して、叩きとしてエンジニア全員といつご飯を食べに行く、というスケジュールを組んだ上で、ランチにとりあえず行って喋るという形にしました。もちろんランチの時間は休憩時間なので、今日はお弁当にします、一人で食べますというのは気軽に都度伝えた上でお休みにしたり、違う人が入ったりするという前提となっています。

これも Kaizen Platform さんの事例を真似てランチの後に、エンジニアはどこに食べに行ったかと、主な話題について何を話したかをやっていきシートに記録することにしました。

ペパボカクテルを始めてみて

このペパボカクテルを構想した時点では、5月くらいから運用を開始できると良いかな、と考えていましたが、4/16 にエンジニアが2名入社されるということを聞き「これは今週からやるしかない」ということで関係者にペパボカクテルの背景、ゴール、メンターに頼りたいことを伝えて、始めてしまう事にしました。

スラックチャンネルの様子

月曜日の時点では正直不安もありましたが、すでに Slack には専用のチャンネルが作成され、中途で入社していただいた人がどんどんランチや 1on1 の予定を作ったり、GHE でやっていきシートを作成したり、以前だとなかなか起きなかった事業部を超えたコミュニケーションが多数発生しています。特に @antipop や @hsbt を呼ぶときはメンションつけて呼びつけるくらいでいいです、と共有したことがすでに実践されていて、ペパボカクテル最高!という気持ちになっています。

また、ペパボカクテルを社内全体に共有したところ、すでに入社してしばらく経つエンジニアから、「自分も部分的にやってみたい」、「メンター決めて全部やってもいいですか」という声が上がっており、結果としてペパボのエンジニア組織のやっていきが高まったと手応えを感じています。

まとめ

ペパボで開始した Onboarding プログラムのペパボカクテルについて紹介しました。ペパボでは、エンジニア一人一人が、主人公として成し遂げたいことを実現できるようにエンジニアリング組織を作っていきたいと考えています。この取り組みに共感して一緒にやっていきたいという方の入社を心よりお待ちしています。