デザイン

表彰状をデザインしました

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こんにちは。デザイナーの @maruyanma です。

突然ですが、これまでの人生で表彰されたことはありますか?

困っている人を助けたり、なにかすごい発見をしたり…。表彰されるというのは、これまでの努力が公式に認められる感じがして、とっても嬉しいものですよね。

ちなみに僕は中学生の時「全校良い歯」の表彰をいただきましたが、全生徒が集まる朝礼でお立ち台に上げられてしまい、そのストレスと緊張で、当時の記憶があまりありません。

そんな、 記憶がなくても手元に残るもの、それが表彰状だったりトロフィーだったりします。

そんな表彰状のデザイン、なぜか、どれも同じようなものに見えませんか? 仰々しくて、豪華絢爛で。多分それは、「あなたはこんな偉業を成し遂げたんですよ!」と伝える目的があるからだと思いますが、どうせもらうなら、 眺めていてもなるべく飽きがこない ものがいいですよね。

今回は、グループ会社で仲間を表彰する際に使う、オリジナル表彰状のデザインを作ったお話しです。突然「表彰状を作れ!」と言われたときの参考になればと思います。(めったになさそう)

オリジナル表彰状に必要なもの

  • 讃える感じ
  • オリジナル感
  • 遊び感

個人的には、これらが大事かなと思います。ざっくり。

表彰にはまず、当たり前ですが「 讃えられてる感 」がある方が良いですよね。でもそれだけだと、当たり障りのないモチーフを使ったり、よくある装飾だけで構成しちゃいがち。結果、ありきたりのものが出来上がります。

そこで「 オリジナル感 」。僕がはたらくペパボはIT企業で、そこで頑張っている人を表彰するので、ITぽさを出したいなと思いました。…すごく当たり前のことを書いてますが、このオリジナル感をデザインで表現するのって結構難しいですよね。表彰状じゃなくてもなんでも。ここらへんが、産みの苦しみであったり楽しみであったりします。まあでも、ほぼほぼ苦しいです。

僕は苦しいのが大嫌いなので、何かを作るときは必ず、楽しみながら作れるポイントを考えます。これがあるだけでも、デザイン、クリエイティブって素晴らしい!と思えますね。これが僕が思う「 遊び感 」です。もちろん、自分だけが楽しい遊び感じゃなくて、それを受け取る人が楽しいと思えるようなしかけだと最高です。

それぞれの項目について詳しく書いていきます。

「讃える感じ」

「表彰状だから、ちゃんと表彰状感があったほうが良いよなあ…」と思って、世の中の表彰状デザインを観察すると、わりと緻密なデザインが多いです。(海外は逆にシンプルです。お国柄なのかな)

緻密さは「繊細さ」や「装飾感」を産むことができます。それが讃える感じに繋がると思いました。でも、全部それだと、とてもくどい印象を与えるので、適度な感じに力を抜きます。

ツールについて

いろいろ考えて、Illustratorのベジェ曲線、それも線のみで描くことにしました。ベジェ曲線は、最初は取っ付きづらいですが、慣れてしまうと自由自在に線を引けるし、太さも自在。何より細かな造形作業に重宝します。

あとIllustratorは command + D でリピートで複製ができるのが良いです。曲線を一つ引いて、それを command + D を押した数だけ、好きな距離にコピーできます。Illustratorは「数値指定で綿密にコピー」もできますが、図面のような正確性は、このデザインにはあまり重要ではないと判断して、スピードを優先するためにも感覚的な作り方をしています。

commandD地獄

この command + D する余白を変えて、緻密な部分は詰め気味に、力を抜く部分は広めに作って、適度な抜け感を演出しました。比率でいうと、 緻密さ 6 : 抜け感 : 4 くらいで作りました。

緻密なとこ

緻密

抜いたとこ

抜き

「オリジナル(IT)感」

以下のようなモチーフを主に使用しています。

  • 地球
  • デバイス
  • フォントアイコン
  • ケーブル
  • ブラウザ

モチーフ

などなど。比較的わかりやすくしました。なぜなら、パッと見で「あれ?」とならないと見てもらえないからです。

「よく見る表彰状ぽいけど、なんかちょっと違う?」という気づきを持ってもらいたかったんです。全部説明しすぎず、見る人の中で完結するほうが印象に残りますよね。(出来ているか、出来ていないかは別として!)

「遊び感」

「オリジナル(IT)感」のところで十分遊んでいるのですが、自分個人も制作を楽しみたい。というわけで、ペパボのマーク ペパポン を表彰状の中にこっそり入れました。それだけでも、なんか楽しいわけですよ。

昔テレビ局で美術をしていたことがあるんですが、セットの一部にこっそり自分のイニシャルを入れてたら、上司に見つかって心臓飛び出るくらい怒られてからは、あまり派手な事はしなくなりました。でも、遊び心は忘れたくないですよね。

そんなこんなで完成

だいぶ割愛しましたが、作業自体は地味です。全体を見ながら、まずは半分だけをベジェで描く。その後、反転コピーして、左右で同じ過ぎる部分に手を入れる。という感じです。

手帳サイズや色違いもつくった

色違い

作ったデザインは割と好評で、社内外からお褒めの言葉をいただきました。「おもしろいですね!」とか。当初グループ会社でのみ使う予定だったのですが、ペパボ社内でも使っていただいてるようです。

この記事が、表彰状をデザインする人の一助になれば最高です!(めったになさそう)