こんにちは。GMOペパボの広報、ちんさつちゃんです。 去る9月8日、東京・渋谷のセルリアンタワーにあるGMO Yoursにて、恒例となった技術イベント「ペパボテックカンファレンス」が開催されました。
6回目を迎える今回のタイトルは、「第6回ペパボテックカンファレンス〜もっとおもしろくできる、そして……伝説の夜〜」。
中の人も「一体どういうことだってばよ?」と首を傾げるサブタイトルにもかかわらず、多くのお申込みをいただき、当日は80名以上の方がお越しくださいました。 お足元の悪い中、みなさま本当にありがとうございます…!
なにが起こるかわからない、期待と戸惑いの溢れるざわざわとした雰囲気の中で始まった発表、順を追ってレポートします。
今日の司会はEC事業部サブマネージャーのlightyです。
(1)SSLと仲良くするやり方
最初に登壇したのは技術部インフラグループ所属のmickey。
ネットショップ運営サービス「カラーミーショップ」のインフラを主に担当している彼が発表したのは、先日公開された「カラーミーショップ」の常時SSL実装に際して取り組んだ事例。
「社内ISUCONで新卒エンジニアに負けてしまってインフラエンジニアを名乗るのを自粛中です」という発言からは真摯な人柄が見て取れます…!
「カラーミーショップ」のサブドメインの常時SSL化は、セキュリティ対策に有効とはいえパフォーマンスに影響が出てしまう可能性もあります。 そこで行ったのが、ロードバランサとアプリケーションサーバーの間にリバースプロキシ(Nginx)を挟んだこと。これによって、一度に大量の証明書を読み込んでもメモリ消費量を増やさず、単一のプロセスでリクエストを処理できます。 またNginxを使用したことで、将来独自ドメインを常時SSLにしたときに、ngx_mrubyを使用して動的処理を行うこともできます。未来を見越した対応でもあるわけですね。 一方で懸念されるのが、プロキシを挟むことによるパフォーマンスの低下。こちらもぬかりなく検証し、常時SSLにする前と同等のパフォーマンスで運用できることを確認しています。 安全性とパフォーマンスの両輪をきちんと走らせることができる体制の裏側を垣間見ることのできるセッションでした。
発表スライド
(2)開発フローの中のレビューポイント
続いての登壇者は「カラーミーショップ」Webアプリケーションエンジニアの@inouetakuya。 「彼女からは、おいちゃんと呼ばれています」というブログ名のとおり、彼女からもペパボの同僚からもおいちゃんと呼ばれています。 この日の第一声も「おいちゃんです!よろしくおねがいします〜」でした。
バリバリとサービス開発に勤しむ一方、今春からお子さんの送り迎えにアサインされ、現在は時短勤務をしています。
新しいショッピングカートや常時SSLなど、「カラーミーショップ」からリリースされた大きなプロジェクトを実例に、開発フローの改善方法について発表しました。
通常の開発フローでは、課題を解決するためのUIをデザイナーが考え、エンジニアが実装し、プロジェクトメンバー以外による社内レビューを経てリリースされるのが一般的。 しかし、なぜか起こりがちなのが「社内レビューで予期せぬフィードバックがあり、手戻りが発生してしまう」ケース。 プロジェクトメンバー間では解決したと思っていた課題が実は解決しておらず、プロダクト品質を担保できていなかったということです。
この問題を解決するため、おいちゃんは開発フローの中に明確なレビューポイントを設置し、コミュニケーションを取る機会を増やしました。
一見するとリリースまでの時間が増えてしまい、従来のやり方と大きな差は無いのでは?という見方もできますが、実際にポイントごとに適切なレビューと作り直しを繰り返したところ、テストユーザーの反応が明らかに変わっていくのを実感し、確実に品質向上につながっていると確信したとのこと。
開発チームにとっては、涙目になるくらい打ちのめされてしまうこともあるそうですが、その結果必ずプロダクトの品質は担保できる。だからみんな適切なレビューポイントを設置しましょう!という力強い言葉も飛び出しました。
発表スライド
(3)詩の書き方
次に登壇したのはデザイナーかつ詩人の鹿くん。 Webサービスのデザインは領域がとても広く、いったいどこまでデザインと呼べるのか?と考えているうちに デザイナーと詩人は近い という考えに至り、今回の発表をすることにしたそうです。・・・なるほど!!(虚空を見つめながら)
好きな詩を引用しながら、デザイナーと詩人の共通点について淡々と説明する鹿くん。
詩は風景を観察し、その風景がどのように感じられるのかを定義して作られるもの。 デザインはたとえば「ボタンがボタンとして見える領域」を観察し、定義すること。
詩人が定義した風景を言葉に書き記すように、デザイナーは定義したデザインをスタイルシートで実装し、Webページを作ります。 またスタイルシートはスタイルガイドとして書き残すことで、人に伝えることができます。
(参考:おい、このスタイルガイド、生きてるぞ! Hologram と「Pepagram」ではじめるスタイルガイド入門 - ペパボテックブログ)
最後にまとめとして自作の詩を発表し、
鹿くんのプレゼンは終わりました。
発表スライド
(4)ヘヴィメタルの作り方
最後に発表するのはCS(カスタマーサービス)マネージャーうーたん。 もともとミュージシャンとして活動していたうーたんは、2012年にCSとしてペパボに入社しました。
(参考:カスタマーサービスの裏話 | スタッフインタビュー | 採用情報 | GMOペパボ株式会社)
技術イベントであるペパボテックカンファレンスにCSが登壇するのは今回が初めて。 しかし今日の発表は技術は技術でも、4月に行われたペパボ恒例「普通じゃない新卒説明会」の舞台裏である ヘヴィメタルを作曲する技術 についての発表をするとのこと。 弊社テックカンファレンス、幅広すぎでは?
(参考:とあるIT企業の新卒説明会が完全にライブ、社長がノリノリでV系バンド披露)
プレゼンの内容はヘヴィメタルというジャンルの性質、作曲のセオリー・・・などなど「今日わたしはエンジニアのイベントに来たはずでは?」と再確認してしまうトピックばかり。 ちなみに今回うーたんは イベントの冒頭で強いインパクトを出す という新卒説明会の特色を踏まえ、このセオリーをあえて外した作曲方法で楽曲を作成しました。 そして出来上がった曲「PEPABO DEATH」がこちら。(社内スタッフにより作成されたMVとともにお楽しみください)
曲のディティールを決め、役割をふまえて作曲方法を選定し、リフを作り、肉付けをし・・・なぜ一瞬のネタにここまで?と首を傾げたくなるほどこだわった理由は「冗談は上手でなければならない」「神は細部に宿る」という先人の言葉によるもの。
ふざけているように見えることも本気でやり遂げてこそ、人を楽しませることができるという実践でした。
とはいえ、テックカンファレンスでこんなネタを発表してしまって、来場者は一体どんな表情をしているのか…? おそるおそる会場に目をやると・・・
みなさま頷いたりメモをとったり。い、意外と…響いている…!? エンジニアのみなさまの幅広さにも驚かされました。
発表スライド
プレゼンパートはここまで。 当日YouTube配信されていた動画はこちらからご覧いただけますので、未見の方はぜひどうぞ。
そして始まる伝説の夜・・・
さて、続いてはサプライズパート PEPABO HEADZ LIVE です。
そう、今回のテックカンファレンスは“MC KENTAROW”ことGMOペパボの代表取締役社長 佐藤健太郎と、“MC あんちぽ”こと執行役員CTOの栗林健太郎が新たに結成した、HIP HOPユニット「PEPABO HEADZ」の楽曲「採用目的」お披露目の場でもあったのです!
(参考:PEPABO HEADZ IN DA HOUSE!!1 - GMOペパボの「採用目的」 - ペパボテックブログ)
以下、こちらの映像を流しつつ、写真で雰囲気をお楽しみください。
ライブ後も熱気は冷めやらず、なんと懇親会中に来場者も飛び入りで参加し、急遽フリースタイルバトルが開催される一幕もありました。
いかがでしたでしょうか。 なぜGMOペパボは技術イベントであるはずの「ペパボテックカンファレンス」でこのような一見関係ないような催しを決行したのか?
もっとおもしろく、たくさんのひとに喜んでもらいたい。その気持ちは部署や職種にかかわらず、すべてのペパボスタッフが常に抱いている想いです。 提供サービスや技術はもちろん、これからもペパボはさまざまな切り口でみなさまに楽しんでもらえるアウトプットを行っていきます。
今後もGMOペパボの技術イベントにご期待ください!
お知らせ
余談ですが、来る10月4日(火)21時よりオンライン動画学習サービス「schoo」の特別番組で、MCあんちぽが生放送でラッパーACE氏、お笑いコンビ・トータルテンボスツッコミ担当藤田氏をはじめとする豪華面々と共演することになりました。
ジョブプッシュ -プログラマーの魅力あの手この手で伝えます- 栗林 健太郎 先生 - 無料動画学習|schoo(スクー)WEB-campus
授業では、プログラマーの魅力がイマイチ分からない人に対して、マジシャンやラッパーのACE氏、そしてプログラマーの仕事を知り尽くしているIT企業のCTOが、あの手この手でプログラマーという職業の素晴らしさを真面目にプレゼン。プログラマーの魅力をイマイチ分からない人代表としてお迎えするゲストは、お笑いコンビ・トータルテンボスの藤田憲右氏。藤田氏には、それぞれのパフォーマンスを見て、「プログラマーになりたい度」を判定、最もプログラマーの魅力が伝わったプレゼンを選んでいただきます。さらに、受講生からも生放送中にタイムライン上でプログラマーにまつわるメリット情報を投稿していただき、素晴らしい情報を提供していただいた方にはプレゼントが贈られるかも…?
一流ラッパーによるプログラマーの魅力を伝えるプレゼン、そこに参戦するレペゼンペパボMCあんちぽちゃん。 どんな展開になるのか今からドキドキですが、みなさまぜひご覧ください。