開発者体験 テックサーベイ developer experience

GMOペパボの開発体験や技術スタック 2026上期

開発者体験 テックサーベイ developer experience

こんにちは、技術広報のsennaです。GMOペパボで8年間広報を務め、この7月から技術広報を兼任することになりました。 技術広報になったものの、これまでコーポレートやサービスの広報をメインで行っていたので、そもそもエンジニアのみんながどんなことを考えているか、どんな技術を使っているかもほとんど知識ゼロの状態・・・。なので、まずはエンジニアのみんなのことを知りたいと思い、全社エンジニアを対象に業務における開発体験や各自の技術スタックなどについて調査を実施しました。開発体験の満足度、使っている言語やツール、アウトプットの状況まで・・・GMOペパボのエンジニアのリアルをデータでお伝えします。

サマリー

  • 7割以上が技術選定に十分満足!ツールや技術を自由に選べる環境
  • 自然言語でのコーディング、複数AIを活用するエンジニアも多数
  • CI/CDやドキュメントに伸びしろがあるが、半数以上が概ね満足!開発体験の全体像
  • 業務とプライベートで最も差が大きいのはPython!業務vsプライベート言語ギャップ
  • 82%が社外に向けてアウトプット、2026年上期のアウトプット状況

ツールや技術を自由に選べる環境

みなさんは、開発体験という言葉を聞いたことがありますか?開発体験(Developer Experience/DX)とは開発者が業務を行う上で使用するツールや開発のプロセス、組織文化など環境全体を表す言葉です( • ̀ω•́ )✧。どや顔で説明していますが、私は最近知りました(おそらくエンジニアの方にとっては当たり前の言葉ですよね・・・)。最近知ったけど、仕事の時は10年前から知ってるような顔をして使っています( • ̀ω•́ )✧。開発体験なんてよければよいほどいいよね!と思ったのですが、私はエンジニアではないので実態を知らないわけです。なので、今回の調査で聞いてみました。果たして・・・その結果や如何に・・・!!! さて、今回の調査では、開発体験に関する7項目を4段階評価で評価してもらいました。技術選定の裁量は「ほぼない〜十分にある」、それ以外は「ほとんど満足していない〜十分に満足している」で評価してもらっています。

※本記事ではペパボの職位制度に基づき、便宜上4等級以上をシニア、3等級以下をジュニアと表記しています。

7項目のうち、「ツール・環境の自由度」と「技術選定の裁量」は突出して高い結果で、「十分に満足している」と回答した人が75%と73%でした。また「ツール・環境の自由度」はジュニア74%・シニア75%と、等級を問わず高い水準にあります。

その結果はエディタの多様性に表れています。Vim/Neovim(32%)とVS Code(30%)が僅差でトップを争い、ほかにもEmacs、Textbringerなど計10種類以上が共存しています。Zedは利用者全員がシニア、逆にCursorは全員がジュニアと、等級によるエディタ選択の傾向も見えます。 さらに、エディタ欄に「一年前からエディタを開かなくなりました」「terminalでAIに指示」と回答した人もいました。AIの台頭によって、エディタを使わない開発スタイルも広がっています。

横棒グラフ:業務で一番使用しているエディタ・IDE上位5つ。Vim/Neovim 32%、VS Code 30%、Zed 8%、Xcode 7%、Cursor 7%

自然言語でのコーディング、複数AIを活用するエンジニアも多数

Claude Codeは全社導入ツールであり、回答者全員が利用しています。そこに各自が選んだツールを組み合わせ、1人あたり平均2.6個のAIツールを使い分けています。ChatGPT(50%)、Claude Chat(47%)、Gemini(33%)の併用が多く、Codex(10%)も利用が広がっています。

使い方の幅も広く、業務言語の選択肢に「自然言語」と書いた人や、「claudeをしばいています」と答えた人、「コードは全部AIに任せている」という人も。さらに「ccを実装計画、codexを実装役にしてagmsg1で対話させながら実装するといい感じになる」と、複数のAIエージェントを役割分担させる実践的な回答もありました。

横棒グラフ:利用しているAIツール(複数回答)。Claude Code 100%、ChatGPT 50%、Claude(チャット)47%、Gemini 33%、Codex 10%、Cursor 7%

開発体験の全体像

開発体験7項目の満足度を4段階で評価してもらいました。すべての項目において半数以上が4(十分に満足している)もしくは3と回答しています。 一方、CI/CDの整備やドキュメントの充実度に関して「十分に満足」と答えた割合は、CI/CDが28%、ドキュメントは22%にとどまります。半数以上が概ね満足しているが、まだ十分ではない——ここに開発組織としての伸びしろがあると考えます。 GMOペパボは20年以上動いている歴史のあるサービスも多く、サービス数も10以上あります(しかも最近急速に増えています)。そのため、エンジニア全員が十分に満足できるドキュメントを整備するのはなかなか骨の折れる仕事です。AIも活用してもっと満足度が高まるようにしていけるといいですよね。

最高評価(4)を回答した割合と上位2段階(4もしくは3)のいずれかを回答した割合

横棒グラフ:開発体験満足度を最高評価と上位2段階の割合で表示。ツール・環境の自由度 75%/97%、技術選定の裁量 73%/90%、デプロイの容易さ 37%/82%、テスト環境 33%/82%、コードレビュー 30%/82%、CI/CD 28%/78%、ドキュメント充実度 22%/57%

※技術選定の裁量は「ほぼない〜十分にある」、それ以外は「ほとんど満足していない〜十分に満足している」の尺度。

CI/CDの整備やドキュメントに対しては、改善の動きが始まっています。具体的な事例がいくつかアンケート内で上がっていたので紹介します。

CI高速化:「CIが速くなった。ataniさんのこれ2が特によかった」。YJIT導入、jemalloc切り替え、CPU使用量改善など、パフォーマンス改善の取り組みが複数の回答者から「いいなと思った取り組み」として挙がりました。

ドキュメント駆動の動き: 「データ基盤のphilosophyを形式知化して、Agentにここを見せ、方針策定時などに考慮されるようになってます」。ムームードメインではリポジトリに仕様がまとまり、AI経由で仕組みを把握できるようになっています。ドキュメント×AIの組み合わせで、知識を活用しやすい状態になってきました。

AI活用の進化: Claude Codeのskill化、MCP実装、マルチAIエージェント連携。「kazuさんがminne-overviewというスキルをつくってくれたのですが、minneサービスの仕組みなどを質問できたりします」。devcontainerで安全なローカル環境を構築する取り組みや、AIコーディングエージェントごとにGit worktreeを分けて並列開発する運用も生まれています。

開発プロセス改善: PRの自動マージ、社内マーケットプレイスによる業務効率化など、開発ライフサイクル全体にわたる改善が複数挙がりました。

業務で使用する言語とプライベートで使用する言語のギャップ

普段業務で使用している言語・ツールと、趣味・個人開発などプライベートで使用している言語・ツールについて質問してみたところ、業務とプライベートで大きなギャップが生まれていました。

横棒グラフ:業務vsプライベートの言語利用率(%、複数回答)。Ruby 業務65/プライベート33、Shell/Bash 42/23、TS/JS 38/43、Go 30/38、PHP 27/8、Swift 15/20、Kotlin 12/10、Rust 5/7、Python 5/32

業務ではRubyが65%で最多。フレームワーク・ライブラリはRails(63%)が主力で、Terraform/Pulumi(40%)、React(28%)、Next.js(23%)と続きました。 プライベートではTypeScript(43%)がトップで、次いでGo(38%)、Ruby(33%)。最もギャップが大きいのはPythonで、業務5%に対しプライベート32%。逆にPHPは、業務27%に対し、プライベート8%と、業務特化の色が強い結果でした。 Rubyが最多というのは、普段のエンジニアのコミュニティイベントへの注力なども見ていて順当に感じました。個人的に意外だったのはPythonの少なさでした。技術知識ほぼゼロのひよっこ技術広報は、Python=AIくらいの知識量しかないため、最近こんなにAI関連の機能やサービスを連発しているのに、Pythonの業務利用はなぜ少ないの?と思ってしまいました。この結果を見て調べたのですが、AI関連のサービスを作る=Pythonを使うというわけではないんですねぇ。ちなみに、私は普段の業務でClaude Codeを使っていますが、5日に1回くらい「スプレッドシートに書き込む権利がありません」と言ってきます。その時は「Python使ったらできるよ」と伝えるようにしています。ある意味、私の方が業務でPythonを使っているかもしれません。

2026年上期、82%が社外に向けて何らかをアウトプット

GMOペパボは、みんなが大切にしている3つのことの中の1つに「アウトプットすること」があります。そこで、エンジニアが2026年上期にどんなアウトプットをしたかを聞いてみました。 82%が社外向けのアウトプットを行っており、社内ナレッジ整備(60%)や社内LT(34%)などの社内向けを含めると、何らかのアウトプットをした人は92%にのぼりました。インプット面では技術書を読む習慣のあるエンジニアが83%を占め、個人開発(72%)や新技術の素振り(74%)も盛んです。

2026年上期に新しく触り始めた技術についても聞きました。AIを使って専門外の領域にチャレンジしている様子が回答からわかりました。

「Swiftが全くわかりませんが Codex App と一緒に個人で使う iOS アプリを作り始めました」

「AIを使ってフロントエンドの技術(Next.jsなど)にも挑戦できて良い」

業務外では、PicoRubyで電子工作、Blenderで3Dプリント、家族向けブラウザゲーム開発など、技術の幅は業務の枠に収まりません。 最近では、エンジニアだけでなくデザイナー・ディレクター・バックオフィスのパートナーもAIを活用してどんどんプロダクトを作っています。これからどんどん自分の領域を越境したチャレンジが増えていきそうですね。 ちなみに私は最近JavaScriptを使って診断サイトを作りました。

横棒グラフ:2026年上期の社外向けアウトプット(複数回答)。個人ブログ・Zenn等 66%、テックブログ執筆 40%、OSS貢献 32%、カンファレンス登壇 22%、書籍・メディア執筆 6%

おわりに

ツールの自由度と裁量の高さ、活発なアウトプット文化はペパボのエンジニア組織の強みです。ドキュメントとCI/CDはこれからもっと伸びていくことを期待して、技術広報としてエンジニア組織をよくするお手伝いができればいいなと思っています。 技術についてもこれから勉強していくのでよろしくお願いします。

※本記事は2026年7月実施の社内テックサーベイに基づいています。

編集後記(余談)

本ブログの初稿を書いた時に、調査分析の記事なのでできるだけ自我を排除し、プレスリリースのような気持ちで記事を書いてレビューに出しました。もちろん分析や文章のたたき作成にAIは使いましたがAIが作ったものから5割くらいは自分でリライトしていたのです。それでもレビューしたkenchanくんさんに「全部AIで生成しましたねってまるわかり」といわれてしまいまして、どうしたら・・・と思い悩みました。具体的にAIっぽさが出ているところを聞いたところ、なんと・・・その部分は全くAIの手が入っていない私が完全に書いた部分だったのです・・・!!!(該当箇所はあえて記事に残しました)この記事を読んだ方がAIっぽいなと思った部分、それは本当にAIが書いた箇所かもしれませんし、実は私が書いた箇所かもしれません・・・。人とAIを見分けるのって本当に難しいですね。