こんにちは! GMOクリエイターズネットワーク CTOのぼいらーです。 弊社としてはブログやテックブログを投稿する場を持っていないので、グループ会社であるGMOペパボのテックブログの場所をお借りしています!
GMOクリエイターズネットワーク社内のとある業務を行っているチームにて、業務改善プロジェクトを実施しました。 そのなかで、今現在実施している業務をVSM(バリューストリームマッピング)という手法を用いて見える化しました。 今回、そのプロジェクトのプロダクト開発メンバーとして中心的に動いていただいた、業務委託のちょなんさんに記事の執筆をお願いしました。
フリーナンスでプロダクトマネージャーをしているちょなんです。 即日払い(手持ちの請求書を即日現金化、借りずに資金調達が可能)でフリーランスの方々を支援するフリーナンス。 フリーナンスでは日々沢山の即日払い申し込みをいただいており、即日払いの審査を担当するチームが複雑な業務と向き合いながら、業務の改善にも取り組んでいます。
この記事では、即日払いの複雑な業務をVSM(バリューストリームマッピング)で見える化する中で、即日払いのチームで何が起きたか?VSMにより何が見えてきたか?などを紹介していきます。
背景としての即日払い業務の問題認識
即日払い業務において、今よりももっと効率よく業務を進められないか検討を実施していました。業務のボトルネックとなっている部分としては、以下が以前から挙がっていました。
- 業務で使うツールが多岐に渡る
- 業務が複雑なため、慎重な作業の確認や手戻りが生じている
業務をもっと効率よくできるようにすることで、即日払いの審査時間を短くし、即日払いを申し込んでくださったユーザーの方がより使いやすいサービスにしたいという想いがありました。 一方で、業務フローの中で、どこにどれくらい時間がかかっているのかを感覚的な部分でしか把握できていない状況がありました。
課題に取り組む打ち手としてのVSM(バリューストリームマッピング)
業務工数削減の要望が出ていたため、業務改善に関係する考え方やフレームワークを調べ直していました。トヨタ生産方式、リソース効率とフロー効率、シックスシグマ、VSM(バリューストリームマッピング)。
調べた中だとVSMにより、「使っているツール」「手戻り」「無駄」「実工数」「リードタイム(実工数+待ち時間)」の見える化が進められそうだったため、まずは業務見える化のためVSM作成を試みることにしました。
VSM(バリューストリームマッピング)とは何か?
バリューストリームマッピング(Value Stream Mapping、VSM)は、製品やサービスが生産プロセスを通じて顧客に届けられるまでの流れを視覚的に表現する手法です。この手法は主にリーン製造やリーン経営の文脈で使用され、プロセスの効率化、無駄の削減、そして全体的な生産性の向上を目指すために利用されます。この部分、ジピって作成しました1。
VSMをどのように作っていったか?
見える化のツールはmiroを採用しました。即日払いチームとは物理的に距離があり、リモートでのやりとり中心となるため、オンラインで共同作業が出来る点を重視しました。
VSM作成は以下のステップで進めていきました。
- 業務に関係するツールを洗い出す
- 業務フローの各ステップをグルーピング(既存業務フローでステップ分けされていたものをそのまま使用)
- 業務プロセスを書く
- 既存業務フローからVSMフォーマットで、タスクやツールを書き出し
- タスクごとに必要な人数、PT(Process Time:タスク自体に必要な時間)、LT(Lead Time:前タスク完了からこのタスク完了までにかかる時間、LT=PT+待ち時間)
- タスクの間に線を引く(担当者が同じ場合は実線、担当者が異なる場合は点線)
- 手戻り率を書く
- グルーピング(各ステップごとのLTとPTを合計する)
- 無駄にマークを付けていく
- 改善案を書く
参考にしたスライド:ここはあえて紙とペン!Value Stream Mapping で開発サイクルの無駄を炙り出せ!
VSMは主に即日払いチームリーダーのしまみさんとちょなんが、一緒に手を動かして作っていきました。 しまみさんから「一人ひとり結果や解釈が異なると思うので、チームメンバー全員に入力をお願いしたい」という声が出て、以下のものは即日払いチーム全員に入力をお願いしました。
- 各タスクのLTとPTと使用ツールを各チームメンバーに入力してもらう(スプシに入力してもらって取りまとめ)
- 無駄マークを各チームメンバーに貼ってもらう(VSMをコピペして人数分作り、無駄マークを貼ってもらう)
VSMづくりを通して何が見えてきたか?
VSMづくりを終えた後の即日払いチームの声を聞いてみました。
VSMに取り組む中で、チームや個人としてどのような気づきがありましたか?
チームとしては、各々に業務手順を書き出してみたことで、どの手順に一番時間を使っているかや他者と比べた時の違いなどに気づくことができました。 また、その事でどの部分をチームとして工数削減できるかなどの話し合いもでき、アイデアを出し合うことができました。個人としては、業務手順が可視化された事で、チームとしてルールを作り一貫性を持たせる部分・持たせなくて良い部分が見えたのが気づきです。
VSMに取り組んだことで、業務にどのような影響がありましたか?
工数削減に対する案の玉出しに繋がり、実際に1つ開発案件とすることが出来ました。今後も開発に回す予定の案があるので総合すると年間結構な工数削減になりそうです。
その他に言っておきたいことがあれば
今回初めてVSMを利用した事で作業が可視化されるメリットを感じました。作業工数があるチームにはとても有益な確認方法だと思うので、利用したチームで報告会をするとまた新たな発見を得られるかもしれません。
PdMちょなんの視点
VSMを作成するのは初めてでしたが、短時間で業務工数削減のための課題を洗い出せるコスパのいいツールであることを実感していました。 VSMをつくりながら即日払いの業務理解が進み、業務や課題感も共通言語にできました。 今回のように業務改善に取り組む時に加えて、チームに新メンバーが入った時の業務オンボーディング資料としてもVSMは使えそうです。 各タスクの工数と待ち時間が見えるようになったことで、業務改善を進める際にどれくらい工数削減が期待できるか?も計算しやすくなりました。 VSMは業務工数削減に取り組みたいチームにおすすめしたいです。
GMOクリエイターズネットワークでは、プロダクト開発職種の採用をおこなっています!
さて、ここからはCTOのぼいらーが担当します。 フリーナンスでは今、プロダクト開発組織を立ち上げていこうとしている最中です。
ソフトウェアエンジニアとして面白い部分は、フロントエンド〜バックエンド〜インフラを横断的に触る開発スタイルで開発している点です。 私自身最近コードを書く頻度が減ってきましたが、Goのコードを書いたり、Terraformを書いたりしながら開発を進めていることが多いです。
一番大きなインフラ面での課題は解消出来たため、引き続きインフラ改善を進めていきつつ、次はアプリケーションレイヤーの技術課題が主戦場となっていくのではないかと考えています。 また、技術課題を解消する部分も大事なのですが、ユーザや社内の業務を行っているユーザに対しても課題や新たな価値を発見しそれをプロダクトに落とし込む部分に関してもまだまだやれることは非常に多いです。
そんな技術課題の解消やユーザに価値を提供できる仕組みづくりを私と一緒に進めていってくださる方々を募集中です!以下の職種を積極採用しています!
また、カジュアル面談も大歓迎ですのでお気軽に申し込んでいただけると嬉しいです!
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ChatGPT を使うことを「ジピる」という動きがあるようです。 ↩