iOS try! Swift イベント Swift

try! Swift Tokyo 2024に参加しました

iOS try! Swift イベント Swift

はじめに

こんにちは、umatoshi & fumyです。

このブログは、ペパボのminneに携わるiOSエンジニア達がお送りする「try! Swift Tokyo 2024」の参加レポートになります。

try! Swift Tokyo 2024について

「try! Swift」は、Swiftの開発者たちが世界中から集うコミュニティで、Swift・iOS・macOSをはじめとしたAppleプラットフォーム関連の最新情報・開発技術の共有や開発者同士の交流を目的とした国際色が豊かなカンファレンスです。2016年から始まり、現在では日本のみに留まらずにニューヨーク・インドでも開催されています。

このイベントはベルサール渋谷ファーストにて3月22日〜24日の3日間の日程で開催され、3月22日〜3月23日の2日間はカンファレンス、最終日の3月24日にはワークショップが行われ、素晴らしい知見を拝聴する機会に加えて実際に手を動かしながら体験もできる、とても濃密な時間を過ごす事ができるイベントでもあります。

2020年の開催が残念ながら新型コロナウィルスの流行が原因で中止となり、そこから5年の期間を経て、今年復活する運びとなったので久しぶりのオフライン参加ができる事が非常に嬉しかったです。

そして今年は、弊社が開発しているSUZURIでも採用し、minneでも技術検証の際に利用経験がある「The Composable Architecture(以下、TCA)」を提供しているPoint-Free社からBrandon Williams氏とStephen Celis氏、そして普段の開発でも参考にさせて頂いている「Hacking with Swift」の著者でもあるPaul Hudson氏の登壇をはじめ、世界各国からのイベント参加者も多数見受けられるので、この機会を私達も本当に楽しみにしていました。

カンファレンス中は、カンファレンス会場とは別に休憩スペースや企業様スポンサーブースも用意されており、様々なトピックに関する活発なコミュニケーションが生まれています。また海外から参加している開発者とも日本語以外の言語を交えて話す機会もあったりする点も、このイベントの大きな特徴だと思います。

スポンサーブース巡り

カンファレンスの合間には、勉強会や開発者コミュニテイ等でお会いした方や、海外からイベントに参加されている方とのコミュニケーションを楽しみつつ、スポンサーブースを巡っていました。今回も様々なスポンサー企業様が個性的なブースを出展しており、休憩時間やランチタイム後の空き時間等を利用してご挨拶をしたり、技術的な情報交換をする事が出来ました。内容も自社プロダクト展示はもちろん、アンケートの回答、SwiftやiOSに関連するクイズ、コードレビューチャレンジ等、思わず気になってしまう様なものが多くとても楽しむ事ができた様に思います。

スポンサーブース

気になったセッションのご紹介

2日間のセッションはどれもタイトルを見るだけでも非常に興味をそそられるもので、Swift言語やiOS・macOS開発に関する可能性やその魅力に満ち溢れたものでした。平素の開発ではあまり触れない技術やトピックスに触れる事ができたり、実際の機能開発体験を通じて得られた深い知見に触れる事ができ、まだ触れていない世界を垣間見た様な感覚と知的好奇心を刺激する様な時間となりました。また、カンファレンスの発表自体は英語で行われるものもありますが、同時通訳レシーバーを貸与して頂けますので、安心してセッションを聞く事ができるのも嬉しい点です。

全てのセッションの内容が濃密かつ魅力的なラインナップでしたが、その中でも個人的に気になったセッションをいくつかピックアップしたいと思います。

(1) 良いアプリケーションをデザインするための感覚の持ち方

アプリケーションをデザインしていく場合に必要となる考え方や事例を紹介を紹介するセッションでした。Human Interface Guidelineの話題に始まり、細かな設定にも目を向けて「らしい」Animationを作るための考察と滑らかな動きの事例を踏まえた、細かな挙動や設計思想を嗅ぎ取るセンスを研ぎ澄ますための知見と、「らしさ」を継承し親しみやすい形を作るために考えて行く必要があるポイントを惜しみなく紹介されていました。とても奥深く示唆に富んだ内容だったので、デザインやアニメーション関連の実装をする際には、参考にしたいと思います。

(2) Swiftの型推論を学ぼう | Let's Learn About Type Inference in Swift

Swiftの型推論に関するメカニズムをとてもわかりやすい形で解説したセッションでした。Swiftの型推論は平素の開発の中でも何気なく利用しているものですが、裏側で行われている型推論の仕組みを知る事ができるとても興味深い内容でした。Swift言語が持っている仕組みの深淵を取り扱う内容に触れる機会はとても貴重なので、今後はこの様なトピックスにも少しずつ関心を持って触れていけると良いなと感じた次第です。

(3) Big Little Wins for You or Your App

翻訳すると「塵も積もればアプリとなる」という、新しいiOSやSwiftUI、Xcodeの特徴に関するトピックスを紹介したセッションでした。年々改善と進化が著しいAppleプラットフォームですが、特にこのセッションではiOS17以降で登場した新機能と活用事例を幅広く紹介しており、早くminneでも活用してみたいと思えるテクニックや知見が沢山詰め込まれた内容で、聞いているだけで心が躍り楽しかったです。

【セッションに関連するスライド・参考資料のまとめ】

こちらの方が参考資料・関連情報をまとめていましたので、今回の内容をきちんと復習して生かしていきたいと感じている次第です(本当にありがとうございます🙇‍♂️)。

アフターパーティー

カンファレンスが終了した後のアフターパーティーも、情報交換や交流ができる貴重な機会でもあり、カンファレンスの醍醐味の1つだと思います。

カンファレンス1日目終了後:

この日は、RIZAP様が主催するアフターイベントへ参加しました。美味しいお料理と一緒にSwiftやiOSに関する話題が尽きず、思わず時間を忘れそうになる位楽しそうな時間でした。以前から親しくして頂いている方や初めてお会いする方、そしてRIZAPの皆様とも様々な意見を交換する事ができて本当に楽しかったです。

カンファレンス2日目終了後:

カンファレンス2日目は try! Swift Tokyo 2024 のアフターパーティーに参加しました。カジュアルな形で国内外を問わず様々なバックボーンを持った開発者の皆様と交流ができる、とても嬉しい機会でした。海外の方々と英語でお話する事は最初は怖いと感じてしまう事もあるかもしれませんが、拙い英語であったとしても意外と伝わる場面も多くありますので、臆する事なく自分からコミュニケーションをしていくとより一層楽しむ事ができると思います。(技術的なトピックスと一緒に今後は英語の方も取り組んでいきたいですね😊)

ワークショップ

最終日に開催されたワークショップでは、TCAを開発しているPoint-Free社のBrandon Williams氏とStephen Celis氏から直接学ぶ事ができる貴重な機会であったこともあり、TCAのワークショップに参加しました。サンプルアプリのライブコーディングを通じて、TCAを利用して開発やデバッグを進める過程を直接見ながら手を動かす体験はとても勉強になりました。minneはPoint-Free社が提供しているOSSを活用していたり、個人的に関心がありキャッチアップしている経緯があったので、今後ともモチベーションを高めながら理解を深めていきたいと思います。

ワークショップで利用しているリポジトリ

感想

今回参加したminneのiOSエンジニア1人1人の感想になります💁

umatoshi

新型コロナウィルスが流行してから、久しぶりにオフラインで参加するtry! Swiftでした。 オープニングでVision Proを装着してSwift Punkとサイバーパンクのオマージュだったのには笑いました。めっちゃかっこよかったです。 参加を決めたきっかけが推しであるPaul Hudson氏の登壇だったので、今年も同時通訳サポートありのセッションを開催していただきありがとうございました。

fumy

本当に最高な3日間でした!

平素の業務内では中々触れる機会はなかったものや、個人的に関心があり追いかけているもの等、様々な技術トピックに触れる時間は貴重で素晴らしいものでした。

以前に勉強会でお会いした方とお会いする機会はもちろん、初めての方ともSwiftやiOSに関連するトピックを通して意見交換や交流でき本当に感謝しております。

また、私の登壇した内容やリポジトリに公開したコードサンプルを参考にして頂いた方から御礼の言葉を頂く機会もあり、非常に嬉しく思いました。 今後ともアウトプットする事を絶やすことなく、この機会に得られた知見もしっかりと還元できる様に頑張っていきたいと思います🙇‍♂️

まとめ

Swift言語やiOSの周辺に関連する技術的な知見や知識をセッションを通じて得られるのは勿論、ワークショップの機会を通じて実際に体験する機会を通じて、本当に濃密な3日間を過ごす事ができた様に思います。今後に向けたiOSアプリ開発や最新技術トピックのキャッチアップに関しての大きなモチベーションに繋がると同時に、私達も積極的な交流機会やアウトプットを大切にしていきたいと考えております。

また、try! Swift Tokyo 2024への参加を通じて得られた経験や知見をしっかりと活かし、今以上にminneを魅力的かつユーザー様に愛されるサービスとして行く為に研鑽を重ねていければと思う次第です。

最後に、この様な素晴らしい機会を運営して下さいました皆様にこの場をお借りして感謝の意をお伝えできればと思います。夢の様な楽しいカンファレンスを作って頂いて本当にありがとうございました!