本の選定理由
私たちが所属している技術部プラットフォームグループは2022年1月にチーム体制の大きな変更があり、新しい役割や責任、コミュニケーションの流れなどが発生しました。 チーム体制変更直後は、新たな体制に起因し生まれた組織的課題を感じつつも日々発生するタスクに向き合うことを優先したため、それらの課題を解決するために必要だと感じていた組織設計手法を体系立てて学ぶ時間を取ることができませんでした。
しかし、1年が経過し新しい環境に各メンバーが適応したとともに、コミュニケーションパスの複雑化による認知負荷の上昇などの課題が見えてきました。それらの課題を解消してより良い成果を出すために、チームのメンバーごとに役割や責任、コミュニケーションの流れなどを認識する必要性が高まってきました。そこで、私たちは組織設計に関する手法を学ぶために、書籍「チームトポロジー 価値あるソフトウェアをすばやく届ける適応型組織設計」を選択しました。
この書籍は、アジャイル開発におけるチームの組織設計やコラボレーションについて、実践的なアドバイスを提供しているため、私たちのチームにとって非常に役立つものと考えました。また、本書には多くの事例が含まれており、異なる組織のアプローチや成功事例を知ることができます。これらを通じて、私たちは自分たちのチームに最適な組織設計を考える上でのヒントやアイデアを得ることができると考えました。
以上のように、私たちが選択した「チームトポロジー 価値あるソフトウェアをすばやく届ける適応型組織設計」は、チーム体制の変更による課題に直面しながらも、組織設計に関する知識を拡大し、より効果的なチームの運営を目指すために最適な書籍だと考えました。
読書会の進め方
読書会は次のように進めました。
- 週1回・1時間オンラインで実施
- 1回に1~2章分を取り上げ、全員が読んで疑問や感想をあらかじめまとめておく
- 読んでいて生じた疑問や自分が文章を書く際の悩みなどを元にディスカッションする
- 会で出たコメントなどはNotionにまとめる
よかった点
組織設計についてチームメンバー同士が情報や知識を共有し、議論する機会を得ることができました。また、書籍に記載されている事例やアドバイスを実際の自分たちのチームに当てはめて考えることができたため、より具体的な問題解決のアイデアを得ることができました。
参加者の感想
gurasan
自分たちの組織についてチームメンバーで話し合う機会がなかったので勉強になった。チームが有るべき形になるまでは紹介されていた複数種類のチームを経験するのも一つの手ではないかと思いました。
naryo
現代の組織におけるソフトウェアデリバリーの課題をもとに、チーム構造やチーム間のコラボレーションの在り方など、組織設計の重要さに気づくことができました。文化や組織面から時間をかけて進化させていくための最初のステップとして、この本はとても役に立つと思います。
akichan
私達プラットフォームグループは、複数のサービスに横断して関わっているため以前から認知負荷が高いという課題を感じていました。この本を通して認知負荷が高い状態に起こることだけでなく、どのようにチームを変えていけばよいかの認識を合わせることができ、より良い組織に変化していける希望を持てました。
pochy
チームをうまく機能させるためにチームの内部のやりかたを工夫することはあったが、チーム同士の連携の形を意識することはなかったので新しい視点を得られました。組織力向上という点において視座を一段階上げることができたのでオススメの本です。
harukin
これまでチームについてあまり考えることがなかったので良い機会になりました。チームコミュニケーションについて、意識すると良いことや工夫すると良いこと等が書かれていて勉強になりました。
ressy
アーキテクチャに合うような組織・チームの構造を考えるなど、今まで意識することが少なかった場面を考えるきっかけになりました。
homirun
それぞれのフェーズに合わせたチームの構造が言語化されていて読みやすかったです。また、我々のチームはこの構造だとどこに当たるんだろうと考えながら読み進めることが出来ました。
まとめ
今回の読書会は、私たちが所属する技術部プラットフォームグループの体制変更後に、組織設計手法について学び、メンバーごとに役割や責任、コミュニケーションの流れなどを認識するために開催されました。
参加者は、書籍『チームトポロジー』に基づいて、チームの組織設計について意見交換を行いました。それぞれの視点や意見を聞くことで、チームの適応型組織設計の理解が深まり、具体的なアイデアが得られたと思います。
また、参加者同士のコミュニケーションや信頼関係が深まったことも、今回の読書会の良い点の一つでした。これらの関係性は、チーム全体のコラボレーションや情報共有にも良い影響を与えることができます。