執行役員 VP of Engineering 兼技術部長の @hsbt です。モンスターハンターストーリーズ2の前に3DSの前作を買ってプレイしています。今まで狩る対象だったモンスターを育てるというのは意外と面白く、育成に慣れた後にモンスターハンターに戻れるか心配です。
今回は「ペパボさんは Slack を使うときにルールやガイドラインなどはありますか?」という質問を複数の組織から立て続けに頂いたのでお渡しした内容を公開することにしました。ご自身が所属する組織での Slack の使い方に取り入れたり、ペパボへの転職に興味のある方の参考になれば幸いです。
グランドルール
ペパボでは情報をオープンにすることでコラボレーティブかつ生産性高く仕事をすることを目指します。情報を共有するときは「より多くの人に」「関心を持ってもらえるように」情報を発信することを心がけます。また共有があった場合は何かしらのフィードバックを行うようにし、全員が「仲良くする」ことで高い成果を出していきます。
ユーザープロフィール
- プロフィール画像は顔が写っている写真を設定します。
- 趣味に興じている画像など、人となりが伝わるような画像を設定することを推奨しています。
- Slack に限らないオフィスフロアでのやり取りの際に「顔がわからない…」ということなくスムーズにコミュニケーションを継続できることを目的としています。
- displayname はユーザーの任意の内容に変更できます。
- fullname は
@
での補完がしやすいようにあだ名や英単語表記などを併記することを推奨しています。例: "「苗字名前 LastName FirstName (あだ名)」"
- fullname は
- プロフィールにはあらかじめメールアドレスやカレンダーの情報などの項目を用意しています。
- Slack 以外のツールでの連絡手段を広く共有するために、原則として全ての項目を入力します。
ユーザーグループ
- ユーザーグループは Web UI などからは任意に作成はできません。
- GitHub Enterprise Server(GHES) にグループ作成をコードで自動適用するリポジトリを用意しているので pull-request を作成してください。
- ユーザーグループからの脱退や加入も上記のリポジトリから行ってください。本人、または代理の人など誰でも可能です。
チャンネル
パブリックとプライベートの使い分け
- 原則 public チャンネルを使います。
- private チャンネルの利用は非推奨です。
- インサイダー情報、人事、秘匿性の高いプロジェクト等の場合のみ private チャンネルを用います。
- DM も private 同様に非推奨です。
- public チャンネルでやるべき内容が DM で行われている場合は public チャンネルで行うように誘導を行いましょう。
チャンネル作成
- public チャンネルは誰でも作ることができます。
- private チャンネルの作成や public チャンネルの Slack connect は社内IT部門(コーポレートエンジニアリンググループ)に申請が必要です。
- private チャンネル、Slack connect を設定した public チャンネルには情報の透明性を確保するために必ずマネージャやエンジニアリングリードなど、マネジメントを行う人を1人以上含めてください。
- private チャンネルの Slack connect は原則禁止しています。
- チャンネルを作成した後は初期メンバー以外も参加しやすいように description にチャンネルの目的を書くことを推奨しています。
命名規則
- 部門やサービス、プロジェクト、職種ごとの集まりなどがわかる名称を用います。原則英数字です。
- 例: minne, suzuri, dev, tech, design, backoffice
- 上記のチャンネルのうち、小集団を作成する場合は {サービス、プロジェクト名}-{小集団の目的や名称}を用います。(- または _ を利用します)
- 例: minne-dev, suzuri-sales, tech-alert
メンバー
- チャンネルのメンバーがチャンネルを作成した人、または作成した人から委譲を受けたオーナーが決めます。
- オーナーは部門やチームごとに、参加が必須のものか、任意のものかを決定し、メンバーに周知します。
アーカイブ
- 使用しなくなったチャンネルは積極的にアーカイブを行います。
- チャンネルを作り直す場合も削除ではなく、情報を残す目的でアーカイブを使うことを推奨します。
メッセージ
メンション
- メンションは日中の時間帯(9:00-19:00目安)は必要ならばいつでもしましょう。
- 上記の時間以外にも伝えるべきと判断したものはメンションを行いましょう。
- メンションを受けても反応できない場合、したくない時間帯は受ける側で "Do not disturb" 設定を行いましょう。
@channel
や@here
は本当に必要な時のみ使用しましょう。- メンションは返事が約束されているものではありません。返事が欲しい場合は理由や対応の期日を伝えるようにしましょう。
スレッド
- 複数の話題がチャンネルで進行している場合は積極的にスレッドを使いましょう。
- 逆に複数ではない場合はスレッドに情報が埋もれるのを防ぐために、チャンネルをそのまま使いましょう。
- スレッド内の情報のうち、チャンネルに入っている人全員に伝えたほうが良いものについてはチャンネルにも発信するようにしましょう。
- スレッドのフォロー/アンフォローを積極的に行って情報過多にならないように、各自でコントロールしましょう。
ゲストアカウント
- Slack にはシングルチャンネルゲスト(無料)とマルチチャンネルゲスト(有料)があり、どちらも使うことができます。
- 業務委託の方や他の組織と協業を進める場合は、ゲストとして招待したいチャンネルをコーポレートエンジニアリンググループへ申請してください。
- マルチチャンネルゲストの場合は、予算が必要となるのでマネージャに相談を事前に行うようにしてください。
絵文字
- 絵文字は誰でも任意に登録ができます。
- 登録された絵文字が公序良俗に反するものや、ペパボの文化にマッチしないと判断したものは Slack の管理者の独断で削除します。
- 絵文字をつけることでチャンネルに同じメッセージを送ることができる reacji も任意で設定できます。
- reacji によって、どのチャンネルに投稿されるべきか、設定している絵文字が適当かどうかなどは設定者の責任のもと設定を行います。
- 絵文字の削除ルール同様に、業務に支障が出るような設定は Slack 管理者の独断で削除を行います。
カスタムレスポンス
- カスタムレスポンスは誰でも任意に登録ができます。
- 社外の方を招いているチャンネルでもカスタムレスポンスは動作するため、通常の文章で使われる文言での登録は控えてください。
- 絵文字同様に登録されたカスタムレスポンスが公序良俗に反するものや、ペパボの文化にマッチしないと判断したものは Slack の管理者の独断で削除します。
アプリケーションの連携・インストール
- アプリケーションの連携、またはインストールは、Slack の管理者による許可を必要とします。
- 申請はアプリケーションのインストール時に表示される入力項目に利用目的を書いて送信してください。
- 個人情報の利用などで DM や private の読み取りなどがないものは原則許可しています。積極的に利用してください。
- workflow の作成も誰でもできます。生産性を上げるために積極的に作成、共有をしてください。
まとめ
以上、箇条書きではありますがペパボでの Slack 利用のルールやガイドライン(のようなもの)についてご紹介しました。なお、これまで上にあげたような内容は一部を除いては「ガイドラインです」と明確に提示したわけではなく部分部分で自然と醸成されたものです。ルールを作ることで意図的にツールの使われ方をコントロールすることは短期的には可能ですが、Slack のようなツールはアップデートによって UI が変わったり、人々の使い方も自然と変わるものなので、ルールを作って全てを徹底させるよりは、ツールの進化に合わせて変化できるような組織にしていく方が重要と個人的には考えています。
本エントリの内容が読者の皆さんの組織運営やツールによるコミュニケーションの活性化につながれば幸いです。