ここ最近はNetflixをつけるものの5分足らずで寝落ちしているlinyowsです。皆さんは体調は万全ですか?僕はすこぶる悪いです、こんにちは。今回は、私たちがなぜNotionを使っているのかを、抱える課題と一緒にお話ししたいと思います。
情報と私たち
まず、私たちはインターネットサービスを通じて個人の表現活動を支え続けるお仕事をしています。私はエンジニアですが、デザイナーやマーケッター、ディレクター、カスタマーサービス、プロダクトオーナー、バックオフィスなど、様々な職種が一緒になって知的生産活動をしています。最近では、働き方改革の1つとしてリモートワークが積極的に導入されている業界であります。私たちは、様々なツールを使いこなすことで、地理的や時間的制約を超えたお仕事を実現しています。
私たちが使っている様々なツール
- Slack
- GitHub — Repository, Issues, Wiki, Gist
- G Suite — Gmail, Calendar, Docs, Spreadsheet, Slide, Meet, Drive…
- HackMD / Scrapbox / Kibela…
- Figma
…などを使っていて「全部使う必要あるの?」って思われるかもしれませんが、全てユースケースによって使い分けているんですね。以下の図は、それぞれのツールを情報共有という切り口でマトリックスにしてみたものです。ちゃんと、それぞれ使い分ける意味があり、無駄なツールはそれほどないことがわかります。
これは提案のために作った資料の一部
情報共有の必要性
さて、同じ会社、同じ部署に所属することの意味は、CTOあんちぽくんが5年前のブログで述べられていますが、同じミッションを共有し、お互いに協力することで不可能を可能にすることになります。そのために、部署内または同じ職種での情報共有は必然であり、もしそれが何かによって分断されているのであれば取り除く必要があるのです。
あたり前のように聞こえますが、継続的に情報共有していくのはミーティングの時間設けたり資料にまとめたりと結構労力が必要です。
私たちの課題
リアルタイムに行うコミュニケーションは、既にご紹介したSlackとGoogle Meetを使うことで今のところ不自由なく機能しています。リアルタイムではないコミュニケーションは、主にGitHubのIssuesを使います。サービス仕様や運用手順など、内容に変更があまりないもので単方向のコミュニケーションとなるものは、GitHubのリポジトリにソースコードと一緒にMarkdownのドキュメントとして蓄積していたりしました。
ドキュメントツールの問題
当初、ドキュメントのホスト先にはGitHub Wikiを使っていましたが、ソースコードとは別管理だと面倒だということで、ソースコードと一緒に管理するようになりました。そのドキュメントに変更があれば、コードと同じようにPull Requestによってレビューを受けるフローになっていましたし、エンジニア以外の職種であるカスタマーサービスやバックオフィスまで(全員ではありません)が行っていて、統制はバッチリできていました。しかし、ドキュメントの更新に一定の敷居があるため、最新は細切れにIssueにあり、ドキュメントは情報が古い、そしてリンク切れが発生しているといった問題を抱え、そこを改善するために手軽に書いて編集できるGoogle Docs、ScrapboxやKiberaなどが各所で利用されるようになりました。
各所で問題を解決することはいいことです。一方で、情報が構造化されていないツールを使うことは、情報同士の関係性が見えづらく、チーム外の人が情報は見えても「全然わからない」ということが起きていました。ここで、情報の構造化が大事なのだということに気づきます。
GitHub Issuesの便利すぎ問題
GitHub Issuesは気軽に情報が書け共有できるので、リポジトリにコードがないのにIssueだけがあるなど、必要以上に使われていたりします。Issuesは、時系列がわかるのはよいのですが、結論がわかりにくいし、検索しやすいかというと、そうではありません。Issuesに頼りすぎると、情報の枝葉だけが存在し、核心の課題が見えづらいという問題があります。
これらは情報が散乱していることによって共有を阻害する要因となっています。
情報共有をよりできる環境に
以上の問題から、解決すべき課題を抽出すると以下の2点になります。
- 情報が網羅的で構造化されていること
- 情報の作成や編集が容易であること
「全情報がここにあります!」というには、ツールが全て統合される必要があるので現実的ではありません。「全情報の入り口はここです!」だとどうでしょう?とりあえずそこから見ればいいのだなというのは簡単にわかります。また、人の思考には、連想のような情報のつながりがあり、情報の構造化によってつながりが可視化されるともいえます。人が全体を容易に把握することができる方法は情報の構造化だと考えました。さらに、情報の作成や編集が容易であることは、ドキュメントを最低限のコストで最新に保つことができますし、まずは情報を残そうというきっかけにものなるでしょう。
課題解決のためのNotion
上述の課題をクリアできるツールはNotionでした。Notionは、「オールインワン・ワークスペース」という謳い文句のサービスです。ドキュメントやWiki、プロジェクト管理やスプレッドシートが1つのツール内で動作するモノです。私は、1エンジニアとしてUNIX哲学が好きです。なので、はじめこのNotionのいろんな機能を提供することが懐疑的でした。例えば、スプレッドシートはGoogleのものや、Office365のそれのほうが断然高機能だし、スプレッドシート専門として機能を提供しているサービスに勝てるわけがないと考えたからです。そして、実際そうでした。Notionのそれは、簡単な計算ができる程度ですし、グラフは作れません。
しかし、私たちの課題は上記2点なので、Notionはそこにうまくはまりました。Notionのバリエーション豊かな機能に加え、外部サービスの埋め込みなど、様々な表現力が情報の網羅性を高めますし、Wikiベースであるという特性は、情報の構造化が簡単にできました。また、専門サービスに機能が劣っていても、高度な機能は意外と使わないことが多いので、Notionのもつ作成や編集の手軽さのほうが非常に役に立っています。
Notionの良さ
私たちが、Notionを使う中で恩恵を受けた5つの利点を示します。
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表現力:ページにアイコン設定、データベースに様々なViewの設定、様々なコードシンタックスハイライト、PDFやSlideなど外部コンテンツ埋め込み。
たかがアイコンされどアイコン。有るのと無いのでは視認性が全然違います。
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編集力:ブロック概念によるドラッグ&ドロップ。様々なテンプレートとその定義。データのインポートエクスポート
ブロックによる編集は強力です。これによってとりあえず情報を書き出し後で編集するといったワークフローが可能になります。
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記録力:誰が何を編集したのかを記録し、過去の状態に戻すことができる
Git管理のものを移植するにおいてこれは必須でした。
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権限管理:閲覧のみや編集可能など権限を強力かつ簡単に行使でき、外部の方をゲストとして招待したりPublicに公開できる
ペパボ研究所は共同研究として社外の方と一緒に作業することが多いのですが、Guest機能がとても役立ちます。
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高可用性:オフライン作業が可能なため、ネットワークにつながっていなくてもキャッシュした情報にアクセスできる
私たちの使い方
私たちは、可能な限り情報共有し、コラボレーションの機会を増やしたいと考えているので、チームや部署によってワークスペースを分けるという方法はやっていません。"今は"会社で1つのワークスペースを使っています。1つのデータベースを、脳内をダンプする場所として使っていて、最終的にそこが日報として機能しています。また、チームであらゆる粒度のタスクを共有するためにも1つのデータベースを使っています。どちらも情報が多くなる傾向にありますが、各々が自分専用のポータルページを用意し、そこにデータベースのリンクを貼って、自分専用のView設定していますので普段は必要な情報を見ていますが、タイミングを見計ってチームメンバー動きを楽に把握することができます。
日報 | ポータル |
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他のページだとモザイクだらけになるのでお見せできるのはこの程度。
まとめ
Notionについては、全体的に抽象的でフワッとした説明になりましたが、社内の情報共有において抱えている課題を解決するためにNotionを使っていますというストーリーをお伝えしました。Notionの具体的な機能や使い方については、オフィシャルを見るなりググるなりしていただければと思います。
これは個人的な感想ですが、NotionはGitHubやSlackが登場した時のインパクトを思い出すような素晴らしいツールだと思っています。
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