チームビルディング ワークショップ

「ドラッカー風エクササイズ」で期待をすりあわせて安全なチームに

チームビルディング ワークショップ

 EC事業部チーフテクニカルリードのけんちゃんくんさんです。

 GMOペパボでは、新しいプロジェクトが始まるときや何かの節目に、チームビルディングの手法としてドラッカー風エクササイズや、それをカスタマイズしたワークショップを実施しています。今回は、そのワークショップの中身と、ファシリテーターとして気をつけていることをお伝えします。

ドラッカー風エクササイズとは

 ドラッカー風エクササイズは、アジャイルサムライの著者であるJonathan Rasmusson氏が書籍やブログで紹介しているチームビルディングの手法です。4つの質問に全員が答えることで、相互理解の促進と期待のすりあわせという効果があり、特にプロジェクトの開始時や新メンバーを迎えるときに効果的であると言われています。

4つの質問

 「4つの質問に答えるだけ」と書きましたが、質問の内容はなかなかハードです。

  • 自分は何が得意なのか?
  • どういうふうに仕事するか?
  • 自分が大切に思う価値は何か?
  • チームメンバーは自分にどんな成果を期待していると思うか?

 得意なことについてはすぐ思いつく方も多いかと思いますが、大切に思う価値やチームメンバーからの期待がすぐに出てくる人は少ないのではないでしょうか。「どういうふうに仕事をするか」というのも答えにくい質問ではないかと思います。Jonathan氏のブログ「The Drucker Exercise | The Agile Warrior」 には具体的な回答例がいくつかあるので、一度目を通すとよいでしょう。(「どういうふうに仕事をするか」については「朝型である」や「マイクロマネジメントを嫌う」といった回答例が出ています。)

注: 2つの質問の訳については、アジャイルサムライ13刷で修正が入っています (p.34 自分はどうやって貢献するつもりか? · Issue #32 · agile-samurai-ja/support) 。また、4問目の質問についても見直しのissueがたっています。(p.34 ドラッカー風エクササイズ4問目 · Issue #36 · agile-samurai-ja/support)

ドラッカー風エクササイズ・ペパボエディションとは

 ドラッカー風エクササイズ・ペパボエディションは、ドラッカー風エクササイズの4つの質問から2つそのまま取り入れ、新しい質問を1つ追加しています。

 上記の4つの質問は、その背景や目的を知れば知るほどよくできた質問であると感じるのですが、一方ですべての質問は 自分のことを書く ことになっています。そのため、お互いの期待をすり合わせるためには、質問の答えをベースに話し合うことが必要です。

 ドラッカー風エクササイズ・ペパボエディションでは、この 「期待をすり合わせる」 ことを第一の目的として、質問をチューニングしています。

お互いの期待をすり合わせる3つの質問

 質問は次の3点です。

  • 自分は何が得意なのか?
  • チームメンバーは自分にどんな成果を期待していると思うか?
  • 他のチームメンバーに期待することは何か?

 最後の質問が追加した質問です。ワークショップでは、この質問の回答を自分以外のチームメンバー全員分を書いてもらいます。

ワークショップの流れ

 私がファシリテートする際のスライドは以下の通りです。ペパボでは職種を横断した6人〜10人で実施することが多く、実施導入部分含めだいたい1時間半から2時間くらいの時間をとってもらっています。

導入部分

 ワークショップの最初15分から30分は、このワークの背景や目的を知ってもらうための説明を行います。とくにはじめてのチームや初体験の人がいるときは、お互いのことを知るきっかけとしてほしいことを強調します。

記入タイム

 新しく入ってきた人はもちろん、チームリーダーやマネージャなど全体を見る立場でない人の場合、全員に対する期待を書くのが難しいケースが結構あります。これはワークショップ自体に改善の余地があるというサインではありますが、現在は記入タイム中にサポートすることで対応しています。

 具体的には、「全員分を書けることが大事なのではなく、まだみんなのことを知らないことがわかったことが大事である」ということや「個人名でかけない場合は職種や役割などに向けて書いてみてください」ということを全体に伝えたりしています。また、場合よってはワークショップの内容を事前に伝えておくことで、考える時間をくってもらったりしています。

CSチームの記入タイムの様子

発表タイム

 発表タイム中に気を置くポイントはタイムキーピングです。ある人が自分のことを発表した後に、他のメンバーがその人への期待を発表することになるのですが、他のメンバーへの期待を長く話したくなってしまう人がたまにいます。仲が良いが故に伝えたいことが沢山になってしまうケースや、この機会に今まで言えなかったことも伝えようというケースなど、様々な理由があるとは思います。時間がかかりすぎるのを防ぐために、あらかじめ参加人数をベースに1人何秒くらいかを伝えたり、ワークショップ後にランチやお茶会など自由に話せる時間を用意しておくのがおすすめです。

SUZURIチームの発表タイムの様子

確認タイム

 確認タイムはあまり時間が取れないことが多いのですが、自分のものを見直す時間に使ってもらうケースが多いです。「他のメンバーからの期待で新しい発見があったか」や「自分で書いたものと他のメンバーが書いたもので違いがあるか」という点をとくに見てもらいます。

クロージング

 確認タイムで見つけた発見や、ワークショップの後に実行するアクションなどを話してもらいます。また ドラッカー風エクササイズフィードバック(サンプル) のようなアンケートを用意し、ワークショップ自体の改善のヒントを集めています。

まとめ

 人が集まっているだけではチームとは呼べません。最近は「心理的安全性」というキーワードが注目されていますし、モダンアジャイルでは「安全を前提とする」というかたちで、チームの状態が「安全」であることが重要視されています。

 プロジェクトに関わる全員が縦と横の間での期待をすり合わせ、安全な状態で自信を持って仕事をすることが、結果として大きな成果を産むことができると考えています。みなさんのチームでも、新しいプロジェクトが始まるときはもちろん、何かの節目で実施してみてはいかがでしょうか。

 もし「やってみたいけど初めてなので不安」という方がいましたら、可能な限りお手伝いさせていただきますので、Twitterなりでご連絡ください!


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