こんにちは!
この度、パートナーのどすこい、yukyan、ikechi、ugoの4名がBuriKaigi 2026に参加・登壇してきたので、その内容をご紹介します。
BuriKaigi 2026 とは
年に一度、寒ブリの季節にソフトウェア開発・ITにおける各分野で最前線で活躍するエキスパートを全国から北陸へ招待し、技術の旬を持ち寄り、講義・ディスカッションを行う勉強会です。2026年は1月9日(金)・10日(土)の2日間、富山国際会議場で開催されました。
今年は申込数318名、参加者数313名と参加率98%を記録し、300名を超える多くのエンジニアが集まりました。
登壇について
ここからは、今回私たちが発表させていただいた内容について紹介します。
AIで開発はどれくらい加速したのか?AIエージェントによるコード生成を、現場の評価と研究開発の評価の両面からdeep diveしてみる
EC事業部 事業開発チームでエンジニアをしているどすこいです。『AIで開発はどれくらい加速したのか?AIエージェントによるコード生成を、現場の評価と研究開発の評価の両面からdeep diveしてみる』でレギュラーセッションで登壇しました。故郷の富山で再度登壇できて嬉しかったです!
近年のAIエージェントの進化は著しく、どのAIモデルがどのようなタスクに強みを持つのかを判断するのが難しくなっています。AIエージェントのユースケースや使ってみた肌感は多くあるものの、変化の激しいAIエージェントの良し悪しをどのように判断すれば良いかという情報があまりないなと気づき、発表しようと考えました。
しかし、2026年2月5日のAnthropicが発表したClaude Opus 4.6とOpenAIが発表したGPT-5.3-CodexではTerminal-Bench 2.0というベンチマークが使われていたり、ベンチマークの変化も日進月歩のようです。本発表や資料によって、見てくださった方々が、ベンチマークの雰囲気を掴んでもらって、新たなトレンドも随時掴めるようになれると幸いです。
ソースコードのEUC-JP、全部抜く大作戦
EC事業部 事業開発チームでエンジニアをしている yukyanです。見出しのタイトルでLTをしました。
歴史の長いPHPのプロダクトに携わっていると、一度はEUC-JPのソースコードに関わる機会があると思います。この発表では、Claude Code を開発で扱うようになり、ソースコードがEUC-JPであることが開発を遅くしてしまうことが増えたのをきっかけに、EUC-JPを既存のソースコードから抜く手法を提示しました。
登壇の冒頭で、「EUC-JPを使っている方はいますか?」という問いかけをしたのですが、参加者が30人ほどいるうち、手を挙げたのが3-4人ぐらいで、想像したよりも少なかったのが印象的でした。BuriKaigiは扱っている言語も、作っているプロダクトも新しいものから古いものまで多種多様なので、そこまで多くなかったのかもしれません。今後PHPのイベントに登壇する機会があれば、同じ質問をして比較してみたいです。
もし同じ課題に悩まされているチームがあったら、今回の手法を適用することでEUC-JPに悩まされることが少なくなると思います。一方でこの手法は、一つのファイルはEUC-JPを許容する必要があるなど、課題があると考えています。この方法を開発現場で適用させていく中で、文字コードについてさらに勉強し、よりさまざまな現場で適用しやすい方法にしていきたいです。
それ、本当に安全? ファイルアップロードで見落としがちなセキュリティリスクと対策
こんにちは! ikechiです。
本発表では、ファイルアップロード機能のセキュリティリスクと、実装時に考慮すべきベストプラクティスを解説しました。
「拡張子をチェックしているから大丈夫」「Content-Typeを見てるから大丈夫」――そんな思い込みでは防げない、ファイルを介した攻撃手法と見落とされがちなポイントを具体的に紹介しました。
登壇の感想として、多くの方から「ファイルアップロードの対策は大変だよね」「セキュリティは考慮事項が多くて難しい」といった共感の声をいただきました。多くのエンジニアが頭を悩ませているテーマであることを再認識しました。
今後も技術的な挑戦と発信をし、来年は30分枠での登壇を目指したいです! LTのスピード感も楽しいですが、技術的な背景や試行錯誤のプロセスまでじっくり共有できるような発表ができればと思います。
印象に残ったセッションについて
どすこい
2026年のソフトウェアエンジニアリング
t-wadaさんによる基調講演『2026年のソフトウェアエンジニアリング』でした。こちらの資料に関しては、改善を重ねていって、今年の今後の登壇で完成版を、改めてアウトプットしてくださるということでした。
特に印象に残ったことは「ソフトウェア開発を「部分的に確率的に間違っても仕組みで気づけるプロセス」として再考できるか」という視点です。こちらの通り、LLMは内部に確率的な挙動を持つものであり、LLMの振る舞いの良し悪しは、LLMの外側から良し悪しを人間が判断しているということに改めて気づきました。また、そこを人間が頑張るとつらいので、仕組みやシステムで制御するという観点に合点がいきました。
業務の一部をAIに委託するユースケースはたくさんあります。LLMを用いて実装をしたり、レビューをしたり、アイディアの叩きを作ってくれたりといったものです。また、このAIがしたタスクの後に人間のタスクがあると、人間のタスク処理がボトルネックになってしまいうという話もよく聞きます。しかし、そこに対してどうするかということに関しては、まだ納得できる方向性を、僕はまだ見つけられていませんでした。そこで、本登壇を聴いて、人間というボトルネックをシステム化して、人間が判断するものを決定的な挙動をするものに置き換えることで、スケールしやすいAI活用になるなと考えました。今は、これを実際に具体化して社内で活用できないかを試行錯誤しているところです。うまくできたらアウトプットしようと考えています!
yukyan
Unicodeどうしてる? PHPから見たUnicode対応と他言語での対応についてのお伺い
PHPコミッターの てきめん さんによる登壇でした。
自分は登壇時間が被っており、実際に登壇を拝見しに行けなかったのですが、自分と同じく文字コードに関する登壇ということで、自分の登壇のあとにスライドを拝見させていただきました。 Unicode における1コードポイントと書記素クラスター(graphme cluster)の解説を踏まえた上で、各言語でのStringの仕様の解説、そしてPHPではstringに対してどのような関数を提供しているか、また書記素クラスターのおもしろさや重要性について解説しています。
特に、Emoji bomb と呼ばれる実験の内容がおもしろかったです。ZWJという接合子を使って文字を繋げられるのですが、これを使うことで見た目は1つの絵文字だが、実際は200MBもある書記素クラスターを作ることができるそうです。
自分は EUC-JP と向き合うようになってから「プログラマのための文字コード技術入門」を読んでから思っていたのですが、この登壇で改めてユニコードの表現の多様さを感じました。
ikechi
旬のブリと旬の技術で楽しむ AI エージェント設計開発レシピ
Microsoft の井上 章さんによる基調講演でした。
本セッションでは、マルチエージェントオーケストレーションのパターンと、Microsoft Agent Framework や Azure AI Foundry を活用した AI エージェント設計開発について解説されていました。
特に印象に残ったのは、マルチエージェントのオーケストレーションパターンの紹介と、Azure AI Foundry を使用したデモです。Handoff パターン、Group chat パターン、Magentic パターンなど、複数のエージェントを協調させる設計手法が体系的に説明されており、デモを通じてマルチエージェントの構築手法をわかりやすく理解できました。
実務で活かせるアイデアも浮かんだので、今後試してみたいと思います!
ugo
React 19でつくる「気持ちいいUI」- 楽観的UIのすすめ
楽観的UIについてのお話でした。
楽観的UIとは、ユーザーの操作が成功すると仮定し、状態を更新するUIのことです。楽観的UIを利用することで、ユーザーに遅れを感じさせない体験を提供できます。
例えば、楽観的UIを用いたSNSの「いいね」ボタンでは、ユーザーがいいねした瞬間にアニメーションを再生し、色を付けるなどのUI更新が行われます。
Reactでは、useOptimistic や startTransition を使って楽観的UIを実装できます。
一方で、すべてを楽観的UIにすればよいわけではない、という話もありました。
その一例として、動作が正常に行われていることを示すためにArtificial Delay(意図的な遅延)と呼ばれる遅延を入れるという方法が紹介されていました。
さらに、UI上で処理にかかった「努力」を可視化することで、ユーザーはその結果の価値をより高く評価するという効果もあるとのことでした。 この効果は Labor illusion(労働の錯覚) と呼ばれているそうです。
SUZURIのとある機能でも、あえてこうした遅延を入れている箇所があります。当時はチーム内で「処理がすぐ終わってしまうと少し呆気ない印象があるので、あえて遅延を入れた方がよいのでは」という感覚的な話をしていました。 その判断が、今回の発表を通じて Artificial Delay という考え方として言語化されていることを知り、「やっていたことは間違っていなかったんだ」と強く印象に残りました。
まとめ
BuriKaigi 2026は、「技術の旬」を持ち寄るというコンセプトの通り、多彩な発表と学びが詰まった2日間になりました。
会場では多くの参加者や登壇者の方々と直接話す機会があり、普段の業務では得られない刺激をたくさんいただきました。来年もぜひ参加したいです!