minne事業部プロダクト開発チームでエンジニアリングリードをしているtepiです。先日行われたEMConf JPから早くも1ヶ月がたとうとしています。イベントに参加された皆さんは得られた知見を実践されているでしょうか?
私はイベントには参加させていただいたのですが、イベント内のプレゼンの内容をチーム内で言いふらすばかりでこれといって実践までできていません。
そもそも今日、明日にはじめて結果を得られるようなことは少なかったように感じたのですが、それでも何かやってみるのに自身やチームがどういう状況なのか可視化してみるのも良いだろうということで、「楽しいぞEM拡張パズル!課題と共に役割を広げちゃおう!」のプレゼンにあったEngineering Manager Triangleで分析する方法を試してみましたので、皆さんが実践してみる際の参考になると幸いです。
前提
今回参考にさせていただいたプレゼンはこちらです(主に25枚目のあたり)。
分析対象はminneのチーム内を対象として考えてみました。ペパボにはさまざまな事業部がありつつ、さらにはその全体を統括しているCTO、技術責任者もおり、全部を含めるとすべてが埋まってしまうし自分が「やっている」と断言できる範疇も難しいので、この範囲にしています。
また、プレゼン内で色をつける定義として、「自信があるところは緑」「ちょっとやっているくらいは黄色」と記載があるのですが、この記事内では「自分が何かをして何かしらの結果を得られているところ(=自信がある)を緑」、「自分が何かしらはやっているだけに留まっているところは黄色」としています。加えて、緑色や黄色にできるところで青色にもなりえるところは緑色と黄色にしました。
例えば、リスク対応やJetpack Compose化等、これまで実施してきて特定の成果を得られているところを緑にしたり、1on1を実践しているもののなかなか成果を得られていなかったりするところを黄色としました。
なお、EM Triangleの各項目については、Engineering Manager Meetup様がGitHubにて公開している情報を自身で解釈して色をつけています。
やってみた
早速ですが色をつけてみた結果はこちらです。
実際にやってみると当初目的としていたように自分や自身が所属する組織で何ができる(と思っている)のかがより明確になり、客観視しやすくなりました。例えば、minneという事業部においては、主にProduct × Teamの領域は、自分も多少は絡んではいますが、プロダクト全体を統括するマネージャーやプロダクトオーナーが実施してくれていて、自身が必ずしも関わらなくても良い(もちろん関わっても良い)ことやTechnology × Teamの部分が手薄であるということがわかったりしました。
今後の改善
プレゼンにもある通りこれで終わりではなくここから改善していくことが必要なわけですが、考えてみるといろいろな戦略や視点があるなと思いました。
自身に足りないところを伸ばす
主にプレゼン内でも語られていた部分かなと思いますが、自身ができることを増やす事で徐々に緑や黄色が増えることで楽しみながらスキルアップができそうです。
今回の分析からするとProduct × Teamはすでに書いたように必ずしも自分がやらないといけない領域ではなさそうですができるようになることで、例えばマネージャーやプロダクトオーナーの仕事を奪うことができてマネージャーやプロダクトオーナーがさらに別なことに時間を割くことができ、組織としてよりたくさんのことができるようになります。
改善するにあたっては、EMConf JPの「プロダクト部門のマネージャー全員でマネジメントポリシーを宣言した記録」や「「共創型エンジニアリングマネジメント」の挑戦と実践」の事例から学んだり、「エンジニアリング価値を黒字化する、バリューベース戦略を用いた技術戦略策定の道のり」にあるような経営陣との対話の仕方が参考になりそうです。
自分が好き、得意な領域を伸ばす
例えば自分の場合だと、プロダクトを作る部分が好きで得意だと感じているので、さらに伸ばすとより特化した人材を目指せるでしょう。
Product × Technology内のまだまだやっているに留まっているArchitectureやProduct Designの領域でも知識を得ることで、他事業部のモバイルアプリに対する知見共有であったり、デザインチームと一緒にアプリを改善したりする等、より専門性をもって組織に貢献できそうです。
EMConf JPのオープニングキーノートにもあったような、プロジェクトマネージメントの手法や技術的負債の解消方法等の知識習得はもちろんのこと、AIを使った開発を踏まえた運用やプロセスについても考えると未来に対するアプローチができますね。
組織内で足りないところを伸ばす
自身が所属する組織内で足りていない = 色が塗られていないところがあれば、その部分をできるようにすることで組織を強固にして安定したプロダクト運営につなげられます。
Team × Technologyの分野は、特に個人的には難しいと感じる部分ですが、チームの成長が自分自身の成長にもつながるでしょうし、恐らくどの企業様でも抱えている人不足問題に寄与できるようDevRelのスキルを向上させて、新たな人脈から自身の成長に繋げることもできそうです。
EMConf JPの「わたしがEMとして入社した「最初の100日」の過ごし方」や「サバイバルモード下でのエンジニアリングマネジメント」で話されていたような、人との接し方は1つのやり方として勉強になりますし、ある状況下に限定せずとも利用できる手法にもなりそうでした。
評価を軸に伸ばす
自身の成長も大事ですが、やっぱり給与も大事です(ですよね?)。今回は「自分ができている」と思った範疇で色を塗っていますが、評価者から見てできているかという観点もあり、自己満で終わらないことも組織、エンジニアリングマネージャーにおいては重要だと考えます。
ペパボにおいては、「大切にしている3つのこと」があり、これは評価にも反映されています。例えば、Technical LeadershipやProduct Designの専門知識を高めて、Resource Managementで予算を抑え、DevRelやRecruitingのスキルをもって、「大切にしている3つのこと」の1つである「ファンを増やすこと」が簡単にできるようになることで、よりリッチな生活を送れるようになるかもしれません。
さらに広い視点で、エンディングキーノートにあったような日本という国に影響が与えられる組織やプロジェクトに関われることも、自身の人生をより豊かにできるでしょう。それが結果的に、組織内外問わず自身の評価を高めることにもなりそうですし、今後のスキルアップを考える際の良い指標になりそうです。
まとめ
あらためてイベントを運営いただいた皆様、そしてプレゼンで発表いただいた皆様ありがとうございました! とにかくどのプレゼンも聞きやすく、参考になるものばかりでした。上にあげたプレゼンは自身で視聴できたプレゼンのみをあげていて、恐らく記載のトピックに合うプレゼンが他にもたくさんあったかと思います。EMConf JPのスライド・資料まとめも作っていただいていますし、今後伸ばしていきたいスキルを考えながら読んでみたいと思います。
この記事はエイヤーととりあえず書き出してみたのですが、いろいろな視点で考えられる良い機会になりました。また、一緒にエンジニアリングマネージメントしていただける方を探しておりますので、ぜひぜひカジュアル面談からでもご応募いただければと思います!