イベントレポート SRE

Road to SRE NEXT@京都 に登壇しました

イベントレポート SRE

こんにちは。技術部プラットフォームグループのharukinです。2024/07/05(金)、株式会社マネーフォワード様の京都支社、京都開発拠点で開催されたRoad to SRE NEXT@京都にて、LT登壇枠で「メールサービスの信頼性を支えるSREの取り組み」として登壇しました。

この記事ではイベント前日までの準備と、当日のイベントレポートをご紹介します。

Road to SRE NEXT@京都

「Road to SRE NEXT」は、SREの普及とコミュニティの活性化を目的としたイベントです。主な目的は、地方におけるSREコミュニティの発掘と支援、SREの普及、およびSRE NEXT 東京開催への参加を促進することにあります。今回は京都で開催されました。

ref. Road to SRE NEXTを開催します! - SRE NEXT Staff Blog

Road to SRE NEXT@京都の会場は、株式会社マネーフォワード様に提供していただきました。ありがとうございました!

登壇内容

カラーミーショップのメールサービスの信頼性向上の取り組みについてご紹介しました。メールサービスの信頼性を高めるために、メールの到達率が低下しないことが重要だと考えており、その取り組みについてお話ししました。


メール_01

メールが意図せずブロックされた際には、まずは自分たちがコントロール可能な対策として送信元メールサーバーのIPアドレスを変更してメール送信を再開させました。その後に、自分たちではコントロールできないサービスプロバイダへのIPブロックの解除の申請を行いました。


メール_02

メールブロックを早期に検知するために、監視スクリプトを導入し、自動的に検知してSlackにオンコール通知する仕組みを構築しました。また、オンコール担当者が送信元メールサーバーのIPアドレスを変更し、メール送信を再開できるようにオンコールドキュメントも作成しました。

特定プロバイダへのブロック解除依頼後、メールがブロックされた原因を調査し、一定期間内に大量のメール送信があった場合に検知できる仕組みを整備しました。メール送信量の急激な増加はブロックの原因となる可能性があるため、迅速な初動対応ができるよう、増加を把握できるようにしました。

再発防止策として、メールの大量送信を未然に防ぐために、過去のメールログを基に一定期間内のメール送信数を分析し、通常のパターンから逸脱した場合にはレートリミットやスロットリングを設定して送信数を制限する対応を強化します。

セキュリティの強化を含む様々な分野で対策を強化し、メールサービスの信頼性を高める取り組みを続けていきます。

登壇を振り返って

初めての社外登壇だったので、事前準備から当日までずっと緊張していました。LTの準備では、最初はスライドで伝えたいことがわかりにくく、時間管理にも苦労しました。しかし、社内にはカンファレンスへのCFPや発表スライドを相談できるリポジトリがあり、そこで登壇の経験豊富な方々から具体的なアドバイスをもらい、スライドを改善することができました。

具体的なアドバイスの例として、「ポイントを絞って具体的に伝える」や「特に伝えたいものを強調する」といったものです。さらに追加で伝えられると良さそう内容や、サービスの前提知識がない他のチームの方に目を通してもらい、どう見えるかを確認すると良いというアドバイスもいただきました。

レビュー_01

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アウトプットを大切にしている会社なので、登壇経験がない人でも積極的にアウトプットできるようにサポート体制が整っており、とてもありがたく感じました。社内の方々と直前まで練習したおかげで、自信を持って臨むことができました。運営の皆様や参加者の温かいサポートもあり、無事にやり遂げることができて良かったです。

印象に残った内容

特に印象に残った内容は、@azumakuniyukiさんのSMTP RELIABILITY ENGNEERINGでした。

同じメール関連のLTで、メール配信における信頼性の指標としてのSMTP D4Cの各要素についての内容がとても勉強になりました。SPF、DKIM、DMARCのドメイン認証や、転送している場合はARC対応も必要であること、またメール送信量を増やすための「暖機運転」という地道な努力が必要であることなど、SMTP D4Cは自分たちのメールサービスがこれらの対応をしっかりできているかを確認するチェックリストとしても有用だと思いました。

ref. SMTP D4C — SRE寄りのメール配信考察 - /var/lib/azumakuniyuki

おわりに

オフラインイベントで「信頼性」に関するセッションやLTをたくさん聴くことができて、非常に有意義な時間でした。懇親会では多くの方とメールについてお話しすることができました。意図せずにメールがブロックされる状況について共感いただいたり、さまざまな話題で学びがありました。

来年も「Road to SRE NEXT@京都」が開催されることを期待しており、その際には皆さんに再会できることを楽しみにしています。LTを聴いてくださった皆様、ありがとうございました!