はじめに
初めまして!WEB エンジニア 3 年目のほりゆうと申します。7 月 1 日からペパボの SUZURI 事業部で働いています。 趣味はマジックで、元々文系出身です。過去に国語科の高等学校の教員などをしておりました。
今回の記事では、そんな私が入社してすぐにペパボの読書会に参加した時の参加しやすさに関する学びを紹介します。
ペパボの雰囲気を知りたい!という方にはぴったりだと思いますので、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
それでは、よろしくお願いします。
記事の結論
ペパボには事業部や職種、入社年数などを気にせず気軽に読書会のできる雰囲気がありました。
この雰囲気は、読書会自体の工夫やペパボの大切にしている文化によって作られるものだと感じました。
読書会
まずは、簡単に私が今回参加した読書会の全体像をお話しします。
読んだ本と参加者
広木 大地『エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング』 技術評論社 2018 年 2 月 22 日
「2-4 内心でなく行動に注目する」の章まで皆さんと読みました。
SUZURI に関わるデザイナー、エンジニア、マネージャーなどさまざまな職種の方が幅広く参加していました。
簡単な背景
今回の読書会は、SUZURI のプロダクトマネージャーであるみるてぃさんが企画してくださいました。
組織やチームが大きくなる中で多様な働き方も増え、改めてコミュニケーションの取り方を考えていきたいと思い、こちらの本を選んでくださったそうです。
なぜ参加しやすいのか?の考察
私は入社して 1 週間で、今回の読書会に参加しました。 なかなか入社したばかりだと、会社のメンバー同士のイベントなどには参加しにくいのが常だと思いますが、非常に参加や交流がしやすかったです。
その理由を考えてみたので、是非ご覧ください。
やっていき、のっていきの文化が定着しているから
まず、ペパボには参加のしやすさにつながる文化が言語化されて、広がっています。
それは「やっていき、のっていき」という文化です。
詳しくは CTOあんちぽさんのこちらをご覧ください。
Slack での読書会の提案や投稿に「いいじゃん!」というリアクションが集まり、外側から見ているだけでも「なんか楽しそうだな…」という気持ちになりました。
本来、何も工夫がない場合だとここから「参加しよう!」という気持ちになるまでのハードルは、非常に高いです。
しかし、ペパボの場合この「やっていき、のっていき」文化が広がっており、パートナー皆さんが実践しているので自分も勢いで参加することができました。
具体的には、以下のような参加表明をする際の心理的な安全性があったからです。
Slack でのやりとり
投稿に絵文字でリアクションをするだけではなく、すべての回に参加できる方、たまに参加できる方、参加できないけど良いと思った方を問わず実際にレスが多く付いていました。
これくらい皆さんが反応していると、自分も参加しても大丈夫かなと思えました。
会自体の工夫
読書会の際中でも参加者が発言しやすかったり、意見交流ができたりする工夫がされていました。
主催者の方によって進め方はそれぞれですが、今回の読書会では以下のような形式で進んでいきました。
- 回ごとに 1 節を読んでくる
- 事前に Notion の読書会シートを埋める、他の人の刺さったポイントにアイコンを置く
- 当日に内容について話し合う
特に今回は 2 を紹介します。
この読書会の事前準備では、自分の感想をあらかじめ書いてくるというよりも、心に残った部分や何か思ったことがある部分を引用してくるのがやることでした。 また、他の方の引用しているポイントを見て、自分も共感した気持ちがあればそこに「刺さった人」として自分のアイコンを置きます。
この刺さった人の仕組みがとても良くて「自分が引用した場所に共感してくれる人がいたんだ」と思うことができました。
読書会の当日は、みるてぃさんがファシリテーターになって書いた人を中心に、意見や感想を聞いてくださったのですが、他にも刺さったと書いてくれている人がいたので発表がしやすかったです。
どんな学びがあったのか
今回の読書会では、大きく分けて本の内容からの学びと読書会全体を通じての学びがありました。
本の内容自体の学び
本記事ではペパボの「やっていき、のっていき」文化や読書会の仕組みについて特にご紹介したいため、本の内容は特に、印象に残った内容のみをピックアップして少しだけ触れる形にします。
他人の観測できる部分を見いだし、不確実性を削減していくようにコミュニケーションを取ること
私が特に学びになったと感じた点は、他者の分からない部分に関して無理に理解しなければならないと奔走したりせず、観測できる部分を見ようとしたり、傾聴やリフレーミングによるコミュニケーションを心掛けようという点です。
まず「1-2 不確実性とエンジニアリング」では、エンジニアリングとは何かについて言及されていました。著者は、エンジニアリングの本質は「不確実性の削減」であると述べています。また、不確実性の発生源に関しては、以下のように述べています。
私たちは、2 つの「わからない」もの、つまり「未来」と「他人」という不確実性の発生源から逃れることはできません。
「1-5 人間の不完全さを受け入れる」の章では、その他人に関して自分の間違った認知や思い込みが、認知の歪みを生じさせてしまうと述べていました。続く 2 章以降では、メンタリングや傾聴・可視化・リフレーミングといった方法を使って、それらの問題へ向き合う方法を紹介していました。
私はこれまで組織の一員として社会人生活を送っていく中で、上司が私の気持ちをわかってくれないと感じたり、他者にどう伝えて良いのか悩んだりする部分が多くありました。それはある種他の方からしても理解することが難しいことだったのだと思います。それは他者(=私)の心までは、見通すことができないためです。
本書を読んだ上で当時を振り返ると、もう少し自分の悩み事を具体的に見える形で表現したり、これこれができなかったら悩みを相談したりする、など決めておけば良かったなと感じています。自分が上司と同じ立場になった時も、部下の悩んでいる状態とはどのような場合なのかなるべく明確に定義し、観測できる状態にしてあげたいと感じました。
他にも、今後組織をマネジメントをする方だけではなく、マネジメントを受ける側の方も本書を読んでみることで、コミュニケーションの共通認識が生まれ、より不確実性を削減していくやりとりができると考えています。
読書会を通しての学び
読書会全体を通じて、以下のことを学びました。
参加しやすい仕組みは、個人だけではなく全体の学びを大きくする
会自体の工夫で述べた工夫のおかげで、私以外にも多くの方が読書会に参加していました。会の中で他の参加者の方の意見に驚いたり、議論したりすることを通じて、より自分の理解が深まり広がったと感じています。これはきっと、自分以外の方にも同様のことが言えると思います。
つまり、参加しやすい読書会には人が集まり、人が集まるほど学びも大きくなると気付きました。
プロダクトに人が関わった歴史を振り返るきっかけになる
本の内容を話し合うときに、具体例としてプロダクト開発の過去の話を聞くことができました。「当初はこういう背景があってこの機能を作ってたんだけど…」など、長く在籍していらっしゃる方が、自分のように入ったばかりの人にこれまでの経緯を話してくださることで、本の内容だけではなく、自分が関わるプロダクトの歴史を知るきっかけになると学びました。
プロダクト自体を学ぶのも大切ですが、こういった話し合いの中でふと思い出した話が、実は重要なエピソードだったりすることもあると思います。
読書会が「仲良くすること」を後押しする
最後に、読書会で誰かの意見に共感したり、リスペクトを持った上でぶつかって議論したりということが、参加者同士を仲良くすることにつながると学びました。
特に、今回の読書会では「刺さった人」の仕組みが自分の意見を後押ししてくれるように感じ、自信を持って発表しより良い議論を行うことができました。
読書会が終わった後にも「そういえば ◯◯ さんと読書会で色んなことをお話ししたっけ!」と思い立って話しかけにいき、仲良くすることができました!
突然ですが、ペパボには私たちが大切にしている 3 つのことというものがあります。
- みんなと仲良くすること
- ファンを増やすこと
- アウトプットすること
以上の 3 つです。
今回の読書会を通じて、みんなと仲良くすることができました。
まとめ
改めて読書会に参加して、読みたかった本が読めた以上の学びを得られました。
この後は、自分でも残りを読み切り、やっていきで別の読書会を開催したり、またメンバーの企画にのっていきしたりしたいと思います。
このような文化のおかげで、毎日安心して楽しく働くことができています!ぜひ一緒にやっていきませんか? ここまで読んでくださりありがとうございました。ご連絡&ご応募お待ちしております。