こんにちは!技術部プラットフォームグループの@r_nakamine , @h0mirun_deux, @ryuichi_1208です。 今回は、社内で取り組んだ「Kubernetes 完全ガイド読書会」についてお話したいと思います。
読書会を始めた経緯
私たちが所属している技術部プラットフォームグループでは普段の業務でKubernetesを用いたシステムの開発や運用を行なっています。Kubernetesは今後も全社的に導入が進んでいく方針となっており業務を行う上で必須な知識となっています。
こちらは先日開催された「カラーミーショップの裏側を大公開!15年以上続くサービスが今取り組む技術課題と2022年の抱負」にて発表された資料です。 カラーミーショップにおいて、クラウドネイティブ化に取り組む上でどのようにKubernetesを活用してきたかをまとめた実例の一つとなっています。
しかし現状として、Kubernetesは新しい技術でシステム自体も複雑ということもあり全メンバーが精通しているわけではなく開発/運用業務が特定のチームメンバーに偏ってしまうという課題がありました。
そこで、Kubernetes運用におけるチーム全体のスキルの底上げを行うべく Kubernetes完全ガイド 第2版 の読書会を開催しました。この本を選んだ理由としては前評判が高いかつ内容も網羅的でKubernetes管理者として必要な知識を得られると判断したからです。
読書会形式にした理由
新しい技術を習得する方法として読書会を選択した理由は以下のような特徴があり今回のケースにあっていると考えたためです。
- 「チームでのコミュニケーション時間の確保」
- 「読破するためのモチベアップ」
- 「不明点などでディスカッションができる」
- 「既に動いているシステムでどう使ってるかを理解しながら進められる」
実際に会を進めていき、読んだ内容をアウトプットすることで、理解がより深まったと実感することができました。
読書会運営
読書会の運営ではメンバーの負担が極力少なくなるようにし最後まで読み切るのを達成できるよう心掛けて行いました。
- 週1回のペースで1時間オンラインで開催
- 週替わりでファシリテーターを決める
- 毎回2~3章くらいを全メンバーで読みつつファシリテーターが当日は要約を読み上げる
- 読む章の数は次回のファシリテーターが決定し事前に通知をする
- 疑問や実際に運用しているシステムでの使われ方などを話し合う
- 会で出たコメントなどはNotionにまとめる
よかった点
読書会形式にしたことにより一人で読むのに比べてモチベーションが低下しにくく継続して読み進めることができた点が挙げられます。開催日程を先に決めて行っていたため期限を意識して一定のペースで読むことができました。Kubernetesに秀でているメンバーからの補足説明を受けられることも効果的であったと思います。また、今回の読書会の題材であるKubernetesは高機能で大きなアーキテクチャなため、他の参加者の意見や考え方を聞くことでより深く理解することができました。
さらに、Kubernetes関連タスクのレビューやトラブルシューティングにおいて読書会で学んだ知識をすぐに活用することができ、特にレビューにおいては今までよりも自信を持って行えるようになったとの声もありました。 実際に業務で役立った例として、今までDocker Composeで動作していた社内向けサービスはリソースを使い切ってしまいハングすることがありそのたびに手動で再起動していました。そこでKubernetesへ移行し、さらに10章で紹介されていたLiveness Probeを用いてリソースを監視することで自動で再起動できるようになってToilの削減に成功しました。
参加者の感想
- naryo
- 初の読書会だったので勉強になった
- 読書会形式にすることで読むモチベになって良かった
- 巨大なエコシステムで便利。自分の技術にしていきたいなと思った
- homirun
- 1冊読むのが苦手だったのでチームで読めて良かった
- kubernetes自体知らない機能だらけで読むのが楽しかった
- 今後のk8sに期待!!!
- gurasan
- 読書会形式で運営側として色々施策を考えることができて楽しかった
- 1周読んだだけではわかりにくい内容だったりとっつきにくい機能だったりをプロダクションでの利用事例から学ぶことができたのでとても有意義な会だったと思いました
- ressy
- 1人で読むと頓挫してしまうので参加することで読み切ることができた
- 復習する時どこに立ち戻るとよいか要所を抑えられたので、実務の場面では都度ふりかえりながら理解を深めてもっとk8s力をつけていきたい
- akichan
- 実務でどう使われているかを織り交ぜて読むだけより理解を深められたり、自身の理解が浅いところに気付かされたりした
- 書籍自体はやはり最初の1冊として非常に良い本だった。脳内にインデックスが作れた
- shibatch
- 4ヶ月で読了でき、読書会の長さとしてはちょうど良いペースだった
- CKA/CKAD受験の際にひと通り読んではいたが、あらためて他のメンバーの読み方をきくと興味を持つ分野が異なったりしていて別の視点を知ることができ面白かった
- sugy
- k8sの網羅的な知識を得ることができ有意義な読書会だった
- 実務に活かせるように都度見返したい
まとめ
この読書会を通して当初の目的だったチームのKubernetes運用における最低限のスキルのベースラインが向上しました。ここで学んだ知識はしっかり業務にも生かされており、読書会を開催して良かったなと感じています。 すでに次に読む本についてもチーム内で話し合いが行われており、SREにおける技術力向上のために今後も継続的に行っていく予定です。
今回は以上です。 最後までお読みいただきありがとうございました!