デザイン サービスデザイン SUZURI

SUZURIの用語集をつくったよ

デザイン サービスデザイン SUZURI

こんにちは!SUZURI 事業部の putchom です。

今回は、ペパボデザイナー全員が参加して開催される共有会「 Designer All Hands 2020.12 」で発表した SUZURI で用語集をつくった話を紹介します。

「 Designer All Hands 2020.12 」のレポートはこちら

  1. 課題
  2. どう解決したか?
  3. どうやって作ったか?
    1. 実装上のモデルから洗い出し
    2. すでに揺れていて困っているものを洗い出し
    3. チームメンバーへ共有
  4. どう良くなったか?
  5. まとめ

課題

SUZURI 事業部に新しい人が増えたり、リモートワーク中心の働き方により、UI や広告などで使う用語の使い方に乱れが生じていました。

言葉の食い違いによって生じる混乱

サービスのブランド価値を最大化するためには、時間的・空間的に広がっていくあらゆるタッチポイントにおいて、一貫した意味や体験を提供し続けなくてはなりません。そのためにもサービスを提供する側が一貫性のある言葉を使う必要があります。

どう解決したか?

上記のような課題を解決するために、Notion 上に「SUZURI の用語集」というページを作成し、運用することにしました。

Notion上に作成されたSUZURIの用語集

Notion 上に作成された SUZURI の用語集

 

この SUZURI の用語集は「 ✅Do 」、「 ❌Don't 」、「ソースコード上での名前」、「説明・備考」、「ステータス」、「議論している、したページ」からなる Inline Table で構成されています。それぞれの定義は以下のとおりです。

✅Do この概念はこう表現すべきだという用語を記載して使用を推奨する。
❌Don't 同じ概念でよく使われがちな、SUZURI では使わない用語をすべて記載して、使用しないように注意喚起する。
ソースコード上での名前 ソースコード上でどう呼ぶかを決めておくと機能開発時にディレクターさんと開発者が意思疎通しやすいので用意している。
説明・備考 概念の説明、この用語になった経緯、使用上の注意などを記載する。
ステータス その用語を今使っていいのかを判断するために使用する。WIP の場合は議論中だったりするので関係者に確認する。
議論している、したページ その用語に決定した経緯、または今議論中の内容を知るためのリンクを貼る。SUZURI では議論に Scrapbox を利用しているので、主に Scrapbox の URL が貼られている。

どうやって作ったか?

実装上のモデルから洗い出し

まずはソースコード内からSUZURIのアプリケーションのモデルをすべて洗い出しました。SUZURI では API を公開しているので、こちらから現在使われている実装上のモデルをベースにひな形を作成していきました。

SUZURI Developers

実装上のモデルが定義された SUZURI Developers のページ

 

しかし、実装上のモデルが必ずしも正しいとは限らないので、臨機応変にユーザーに本当に使われているモデルに置き換えていきました。実装のモデルは変えられませんが、UIの側でどう呼ぶかは統一できます。

Mental Model を解説した図

ペパボでは Designer's モデルと User's Model の間に UI があると定義している

 

すでに揺れていて困っているものを洗い出し

さらに、観測範囲でよく間違って呼ばれているものや、すでにソースコード内で表記が揺れているものを洗い出しました。そこから、まだ決まっていないものが明らかになってきたので、関係各所に聞いて回って議論しました。

議論中の Scrapbox のページ

議論は Scrapbox 上にトピックを立てて行われる

 

チームメンバーへ共有

決定したものを使い方や心得を添えて、事業部メンバー全員に共有しました。この取り組みに事業部メンバーを自発的に巻き込んでいくことが重要なので、用語集は特定の人間だけではなく誰でもトピックを立てて編集できる仕組みを設計しています。

SUZURI の用語集の使い方や心得

使い方や心得を用語集の冒頭に記載している

 

どう良くなったか?

  • 開発時やレビュー時に文言をチェックする癖がチームみんなについた
  • ソースコード上の言葉と呼び方が一致して開発者同士がコミュニケーションしやすくなった
  • 言葉について議論する機会が増えた

Slack で用語集を元に行われているレビュー

Slack で用語集を元に行われているレビュー

 

しかし、すべてを究極にわかりやすい言葉に最適化すればよいというものでもありません。「道具」的な部分はわかりやすくしつつ、「ブランドの顔」的なサービス独自の言葉( SUZURI で言うとズッキュンなど)はユーザーに学習してもらうことで、逆にエンゲージメントを高めてファンになってもらうことも大切です。そのようなサービス独自の言葉も含めて用語集で定義していけるとよいのかなと思います。

まとめ

とにかく言葉を大事にしようという姿勢がみんなに根付いたのがよかったです。 コスパがいいし、まず導入するだけなら簡単なので、ぜひ皆さんの運営するサービスでもやってみることをおすすめします。