WWDC イベントレポート iOS

WWDC 2018参加レポート

WWDC イベントレポート iOS

こんにちは! iOSエンジニアの しずちゃん です。

6月4日〜6月8日にカリフォルニア州サンノゼで毎年恒例Appleのイベント『WWDC』が開催されました。 今回このWWDCに初めて参加したので、その時の現地の様子をご紹介しようと思います!

WWDC?

WWDC(Apple Worldwide Developers Conference)は年に一度Appleが開催する開発者向けのイベントです。

OSのメジャーアップデートが発表され、たくさんの新機能の発表や関連するセッション、Appleのエンジニア・デザイナーの方々に直接質問ができるラボなどが開催されます。他にも、ランニングイベントやライブイベントなど参加者が楽しめるイベントが期間中にいくつか開催され、『Appleが開発者を招待するお祭り』のような印象でした。 チケットは1599 USD(抽選制・Apple Developer Program登録必須)で、今年の開催場所はカリフォルニア州サンノゼでした。

日本からも多くの方が参加しており、Facebookのグループや開催前のミートアップなどで情報交換をさせていただきました。 わたしは今回が初めての参加だったのですが、これらのおかげで特にトラブルもなく、思う存分カンファレンスを楽しむことができました!

Session

メインイベントであるセッションでは、各OS新機能の紹介や、特定のフレームワークを使用する際のベストプラクティスの解説、更には UI / UX に関することまで、幅広いテーマで発表があります。 セッション内容は下記サイトに公開されています。

WWDC 2018 - Videos - Apple Developer

Keynote

セッションの中でも最も盛り上がるのが初日のKeynoteです!

このKeynoteでは、メインのプロダクトのアップデートが全て発表されるのですが、Apple CEOのティム・クックやAppleの中でもトップレベルの開発者のプレゼンテーションが生で見れるということで、多くの参加者が早朝から並んで開演を待ちます。(今年の先頭の方は前日夜9時から並んでいたそうです!)

よく「セッションは参加しなくても見れる」と言われますが、Keynoteを会場で見たときの感動、興奮はそれだけで参加してよかった!!!と思えるものでした。とにかくプレゼンテーションに圧倒的魅力があり、世界観の作り方や伝え方は「さすがApple様…」と思わざるを得ませんでした。

セッション内容に関しては他の記事でたくさんまとめられているので割愛しますが、ARKit 2やCreate MLなど華やかなものが目を引く一方で、個人的には通知の最適化やScreen Timeの導入など開発側の「とにかくたくさん使ってくれ」というエゴを除いたユーザー視点の新機能がとても考えさせられるなと思いました。さすがApple様…。

Lab

セッションと同時に開催されているラボでは、今回発表された内容から実際に抱えている問題まで、様々なことをAppleのエンジニア・デザイナーの方々に直接質問できます。 ラボはまさにWWDC参加者の特権であり、ほとんどの時間をラボで過ごすという参加者も少なくないようです。

User Interface Design Lab

このラボではAppleのデザイナーから自分のアプリについてのフィードバックをもらったり、デザインの相談をしたりできます。 開催されているラボの中でもかなり人気で、当日の朝に抽選が行われ当選した参加者だけが行くことができます。

今回3日目に参加できたので、minneなどペパボがリリースしているアプリについてフィードバックをいただきました。 詳細な悩みの相談だけでなく「全体的な画面の印象」などざっくりとした質問も受けていただけるので、自分が思いもよらなかった点の改善案を出してくださる場面もあり、得られるものは大きかったです。

また、このラボでは日本語通訳の方がいらっしゃったので、英語に不安がある中でもスムーズにコミュニケーションをとることができました。

Technology Lab

予約制のラボ以外にも、OSやフレームワークごとの技術系のラボが常に開かれており、自分の興味や疑問に合わせて質問に行くことができます。

私は Safari, WebKit, and Password AutoFill Lab へ質問に行ったのですが、担当エンジニアの方がこちらの拙い英語を汲み取り、疑問が解消するまで丁寧に説明してくださいました。 他の参加者の方の中には「バグが治らなくて相談に行ったら、何人も担当の方が来て解決まで長い時間対応してくれた」と話していた方もいらっしゃいました。

その他のイベント

bashの様子

セッションやラボ以外にも、ARKit 2の体験ができるゲームスペースや、朝のランニングイベントなど、参加型のイベントがいくつか開催されていました。 その中でも印象的だったイベントについて紹介します。

Women@WWDC Breakfasts

6月6日〜6月8日の3日間、女性および女性支援者の参加者が集まって朝食をとりながらコミュニケーションをするというイベントが開催されていました。

私は最終日に参加したのですが、同じテーブルで朝食をとった参加者の方が「エンジニアやデザイナーという仕事は場所を選ばないので、家で育児や家事をしながらもできる。技術職は女性が少ないが、そういった理由で職につくのを諦めてしまっている方々にこそ技術職という選択肢を持って欲しい。」とお話しされていたのが、とても印象的でした。 その方は主婦を対象としたプログラミングの家庭教師をされている方で、世界的にそのような活動を広めて行きたいとおっしゃっていて、他の参加者の方もとても共感していました。

「女性」を参加者の対象として決めたイベントが開催されることに関しては賛否両論あるのでは?と推測していましたが、相対的に見て少数派であり、かつ同じ悩みを共有しやすい方々とお話しすることができとても有意義な時間でした。様々な国の方が集まっていたので、新しい発見がたくさんありつつ、とても共感できる話もたくさんあり、共に頑張って行きましょう!と士気を高めあえたのではと感じています。

まとめ

Keynoteやセッションで熱気やAppleの魅力を感じられたこともとても良かったのですが、やはりAppleのエンジニアやデザイナーの方と直接お話ができる機会があるのが、WWDCに参加した意義として最も大きかったです。 特に自分の作ったアプリについてレビューをもらえる User Interface Design Lab はそれだけでも十分に行く価値があるのではないかと感じる程たくさんの改善点をいただけました。

他にも、 Women@WWDC Breakfasts や Bash で世界中の開発者の方々とお話しできたことも、とても貴重な経験だったと感じています。

全体を通して「本当に行って良かった!!!!!これから業務で還元していくぞ!!!!!(そして来年も是非行きたい…!)」と思いました!

来年に向けて

最後に、「来年参加するならここに注意しよう」と感じた点をいくつか挙げておきます。

英語を勉強して行く

とてもとてもわかりやすいプレゼンテーション資料を見ながら聞くセッションや、とてもとても親切な開発者の方が解決するまで対応してくださる Technology Lab では、英語でそこまで困ることはありませんでした。 ただ、30分と厳密に時間が決まっていて、かつ詳細な質問をしたい User Interface Design Lab で通訳の方を通さないと質問ができなかったのは少しもったいなかったなと感じました。 今の自分の英語力では通訳の方に入っていただいた方がスムーズに質問ができると判断したのですが、30分という時間でよりたくさんのアドバイスをいただくために、来年は自分自身でスムーズに受け答えができるレベルになってから参加したいと思いました。

会場で着る上着は必須

日本人参加者の方が口を揃えて言っていたのが、「会場寒すぎる!」ということでした。

この時期のサンノゼは比較的暖かく、天気がいい日は半袖で十分なのですが、とにかく会場が常に寒いです。 ジャケット一枚で足りるだろう〜と思っていましたが、全く十分でなかったので、カーディガンやパーカーなど、それなりに厚手の羽織れるものがあると良いと思います。

以上が今年参加してみて、「失敗したな〜」と感じた点です。 2019年の参加を検討してこの記事を読んでくださっている方にとって参考になれば幸いです。

最後になりますが、心から「参加して良かった!!!」と毎日感じた1週間だったので、出張として参加させてくださった会社には感謝の気持ちでいっぱいです。そして来年もぜひ参加したいと思っています!!

開発者(エンジニアだけではなくデザイナーの方も含め)にとってとても有意義なイベントだと確信していますので、参加されたことがない方は次回ぜひ応募してみてください!!