はじめまして。デザイナーの @maruyanma です。
最近は、webコンテンツやアプリなどのいたるところで、短い映像やマンガを目にするようになってきました。
- ここに動画を挿入して印象的なコンテンツにしたい
- キャンペーンコンテンツのメリット部分をマンガにするとわかりやすくなるのでは
コンテンツを作る上で、そうした選択肢も、もはや当たり前の時代ではないでしょうか。
そうなった場合、映像は映像製作会社に発注、マンガはマンガ家さんに発注…と出来れば良いのですが、色々な事情で、自分で映像を作ったり、自分でマンガを描いたりといったことも、現場で確実に増えていることかと思います。
自分で作る動画やマンガは、カメラや動画編集ソフトの使い方を覚えたり、ペンタブ使ったりスキャナを使うことで、とりあえずwebコンテンツとして閲覧できる形に完成します。(さらっと書きましたが、ソフトを覚えるだけでもけっこう大変です)
でも、作る以上は、やっぱりクオリティが高いものにしたい。とりあえずじゃなくてプロみたいなの作りたい!
今回は、大昔にwebを学ぼうと入った専門学校で、間違って3DCG映像コースを選択してしまい、映像作成のノウハウを教えられてしまった僕が、今うっすらと想いだせる知識の中から、 イマジナリーライン についてご紹介します。
イマジナリーラインを覚えて、見る人に親切な動画やマンガを作りましょう!
イマジナリーラインとは?
webで検索すると、 想定線 という言葉が出てきます。 映像やマンガで、向かいあう登場人物がいる場合などで、その ふたりの人物を結ぶ線をイマジナリーライン と呼びます。
横からのアングルのイマジナリーライン
縦からのアングルのイマジナリーライン
カメラ(視点)はイマジナリーラインを越えてはいけない
二人の登場人物が出てくる作品で、カメラが突然イマジナリーラインを超えてしまうと、見る人に不自然な印象を与える作品になります。以下に例を示します。
会話をする二人の人物。
一コマ目、カメラは以下のように置かれているものとします。
二コマ目で、カメラをイマジナリーラインを越えたところに置いてみます。
いかがでしょうか。会話しているはずの二人が、同じ方向を向いているように見えませんか?
二コマ目のカメラを、イマジナリーラインを越えない以下の位置に置きました。
そうすると、コマは以下のようになります。
二人の人物が自然に会話をしているように見えると思います。
当たり前のことのように見えますが、このイマジナリーラインを無視してしまっている作品は意外に多く、誰もが知っている有名作品でも、イマジナリーラインが考慮されていないケースを見ることがあります。
イマジナリーラインを無視するとどうなるか
- 人物の位置関係がわからなくなる。
- 人物の関係性もよくわからなくなる。
- 動く対象物の場合は、動いている方向がわからなくなる。
こうした印象を与えた結果、見る人に「無用に考えるきっかけ」を与えてしまい、せっかく作品に入り込んでいた人を作品世界から強制退場させてしまうことにもなりかねません。
webコンテンツでは、インタビューなどで動画を使う場合がありますが、イマジナリーラインを無視してしまうと、1人の人が会話しあうみたいになりかねないですよね。
イマジナリーラインを越える方法
とはいえ、イマジナリーラインを越えたカットをどうしても使いたいケースもあります。その場合は…
- イマジナリーラインを越えて移動する 途中のカットを 入れる
- 別の 第三者的な人物が登場するカット を入れる
- イマジナリーラインを越える前に 全く別のカット を入れる
こうした手法で、逆に印象的なシーンを作り出すことも可能です。例えば「イマジナリーラインを越える前に全く別のカットを入れる」の場合。
いかがでしょうか。違和感は緩和されてますか?
まとめ
- 映像やマンガ制作時にはイマジナリーラインを意識する。
- イマジナリーラインを不用意に越えない。
- イマジナリーラインを越える場合は工夫する。
考えてみたらこのイマジナリーラインの話は、通常の静的webコンテンツでも当てはまる話ですね。
人の無意識を意識して意図的にコントロールすることは、作り手にとても大事なことのひとつです。
それでは!