2026年3月、SREチームに新しいメンバーが加わりました。事業会社で約5年間、バックエンド開発からアーキテクチャ設計、開発リードまで幅広く経験してきたtokaiさん。技術力だけでなく「事業と数字に向き合う姿勢」を自身の核に据えるエンジニアがなぜ次の活躍の場としてGMOペパボを選んだのか、そのキャリア観はどのように形成されたのか。これまでの歩みとともにお話を伺いました。
偶然から始まったエンジニア人生
──エンジニアを目指そうと思ったきっかけを教えてください
大学4年のとき、1年間休学して海外でインターンをしていました。オフショア企業で日本人のPMと現地エンジニアをつなぐブリッジのような役割を担っていたのですが、そこで初めてコードに触れたのがきっかけです。 もともと親族が建築会社を経営していたこともあり「ものづくり」への漠然とした憧れはずっとありました。プログラミングはそこに通じる感覚があって、一気にのめり込んでいきました。競技プログラミングにも触れていて、問題を解いていくゲーム性も相まって、どんどん面白くなっていった記憶があります。
小さな組織で、全部やる
──新卒の際、どのような軸(基準)で会社を選ばれたのですか?
正直に言うと、当時業界軸ではあまり考えておらず、当時は事業ドメインへの関心もほとんどなくて、使っている技術スタックが面白そうだな、くらいの感覚で企業を見ていました。ただ「エンジニア組織が小さいところで、何でもやれる環境がいい」という軸は明確にありました。内定をいくつかいただいた中で、エンジニアが最も少ない会社を選んでいます。 実際、入社した企業は、当時エンジニアは20人に満たず、私は新卒エンジニアの第1期生でした。バックエンド担当として入りましたが、インフラもやればフロントも触る。必要なら事業部との折衝まで――とにかく自走するしかない環境でした。 最初の3年間は正直、自身の力不足もあって事業への手触り感はほとんどなかったです。ただ、とにかくいろんなことをやらせてもらえました。振り返れば、あの環境が今のエンジニアとしての土台になっています。
転機になった「事業の早期撤退」
──新卒として入社した企業には5年近く在籍されたと思うのですが、その中で印象的なエピソードはありますか?
2年目に新規プロジェクトのアーキテクチャ設計からアプリケーション開発までゼロベースで任せてもらいました。途中から私がPMを兼務することになり、3年目には正式にPMへ職種を転身しました。何とかリリースまでこぎ着けたものの、運用開始からわずか4ヶ月で早期撤退という結果になりました。 投資対効果が低いと判断されたのが直接の原因です。何より辛かったのは、ユーザーや事業部の期待に応えられなかったこと、そして事業にも何のインパクトも残せなかったことでした。様々な機会をいただいた中でのこの結果は、私にとって非常に大きな挫折となりました。
「技術が好きだからこそ、事業を見る」
──その後、考え方はどう変わりましたか?
4年目に新しいプロジェクトへ異動したタイミングで、ちょうど入社してきたPMの方から事業と数字の大切さを徹底的に叩き込まれました。それがターニングポイントです。 誤解されがちですが、事業を見るというのは技術への追求を手放すことではないんです。やりたい技術を会社で実現するためには、意思決定者の承認が要る。承認を得るには投資対効果を示さなければならない。つまり事業目標や数字にきちんとヒットする提案ができてはじめて、チームがやりたい技術にも投資してもらえる。私はそういう環境を作るのがシニアエンジニアの役割だと思っています。 技術も事業も、どっちもやりたい。だからこそ事業の視点が必要なんです。

想定外の転職活動
──転職しようと考えたきっかけ、そして転職活動はどのように進められましたか?
入社して4,5年経ったときに、プロダクト開発そのものにはやりがいを感じていたものの、自身の技術が事業や数字にどれだけインパクトを与えられているのか――その実感をより強く得られる環境に身を置きたいと考えるようになったのが転職のきっかけでした。 そのため、今回の転職活動の軸は2つでした。
- 「技術力が事業成長や数字に直接つながる実感を得られる環境か」
- 「これまでの経験がその会社にとって価値になるか」
私はお客さんではないので、これまでの経験を活かしてしっかりと成果を出せるかどうかも重要な判断基準でした。 ありがたいことに多くの企業様からお声がけいただいたのですが、前職の最終月が丸々有休だったこともあり、1社ずつ会社のサイト・IR情報・テックブログを読み込んでじっくり検討させていただきました。特にこだわったのは、「結果や成果を定量的に把握しようとしているか」どうかでした。
ペパボを選んだ理由
──最終的にペパボに決めた理由は何ですか?
選考プロセスでの対応スピードが圧倒的に速かったことは印象に残っています。とにかくレスポンスが早く、それだけでもこの会社は候補者に向き合ってくれていると感じました。 加えて、面談の中で「事業や数字を大切にするエンジニアが欲しい」という話があり、私の軸と一致したのも大きかったです。内定前には配属チーム以外の事業部CTOの方ともお話しする機会をいただき、組織全体の解像度が上がったことで最終的な決断に至りました。
入社後のギャップ
──実際に入社してみていかがですか?また、今後やっていきたいことがあれば教えてください。
転職前とのギャップはまったくありません。これまで10年、20年と継続してきたシステムに携わったことは無かったので、この規模感やこれまで関わられてきた事業部、エンジニアのみなさまには素直にリスペクトを持っています。
SREとしての私の役割は、技術横断で信頼性と経済合理性のバランスを取り、無駄の削減やインフラコストの最適化を通じて利益率を向上させることです。つまり、事業の土台を技術で強くしていくことであり、そこに大きなやりがいを感じています。同じ部門のパートナーやサービスを運営する事業部のパートナーともコミュニケーションをスムーズにとることができています。 また「このチームにあまりいなかったタイプ」と言っていただいているので、事業と数字の目線、そしてそこへの推進力をチームやエンジニア組織全体に広げていくことも、私に期待されている役割だと捉えていますし、どんどんアウトプットしてやっていきたいと思っています。
