minne 開発プロセス

とあるプロジェクトの開発プロセスに合宿を取り入れてみた結果のお話

minne 開発プロセス

こんにちは。minne事業部でプロダクトマネージャーをしているともぞうです。
先日とある開発プロジェクトを爆速で進めるために、合宿を沖縄と東京とで2回実施しました。
本稿ではその様子や成果、ポイントなどを紹介していきます。

なぜ沖縄なのか

今回のプロジェクトでは業務委託先としてお世話になっている合同会社春秋さん(以降春秋さんと記載します)にご協力いただいており、春秋さんの所在地が沖縄だったこともあり1回目の合宿は沖縄で実施しました。

合宿の背景

今回のプロジェクトは決済に関する機能があり、複雑で開発規模は大きいものになることが予想されていました。
そのため、要件の認識合わせや設計といった上流工程をオンラインで完結することは非常に困難だと考え、短期間で膝突き合わせて一気に進めるほうが得策だと考え実施しました。

合宿をおこなう上で準備したこと

闇雲に合宿をおこなっても、時間を浪費するだけになりかねないので用意しておくといいものを紹介します。

要件の整理・詳細化

合宿実施前に要件の洗い出しと詳細化をおこないました。
要件整理は合宿までの間に隔日で30分の時間を設けることで、着実に進められるような工夫を施しました。
また、今回はNotionのデータベースを用いて要件管理をしており、ToDo用データベース、機能一覧データベースにリレーションさせて要件を詰めるために必要なアクションと、要件を満たすための機能が紐づく形にしました。
最終的に機能一覧はタスクデータベースへリレーションさせ、要件 > 機能 > タスクをすべてつながった状態を表現することでMECEなタスク管理ができる状態にしました。

実際の要件一覧

要件一覧

合宿でのゴールを設ける

今回は以下をゴールに設定していました。

  1. プロジェクトのリリース予定が立てられる状態になること(規模感・見積の把握)
  2. 各社のToDoが洗い出されること
  3. いくつか開発着手可能なチケットがつくられること

つぎのアクションにつながるものだったり、状態を示すゴールを設定することを心がけていました。

タイムスケジュールを用意する

いわゆる時間割をつくっておきました。
目安として設けることでゴールに対しての現在位置がわかり、予定を可変しやすくなります。

集中できる環境にする

合宿中はすべての打ち合わせを辞退し、合宿のみに集中できる状態にしました。
15分や30分といった打ち合わせもなくすことで、スイッチングコストが0になり集中を保つことができました。

合宿でやったこと

in 沖縄

沖縄での前半は要件確認をおこないました。
事前に用意しておいた要件は非同期で確認できる状態にしておいた上で、合宿ではおさらいの意味も含めひとつひとつチームで確認をしていき、要件を機能へ分解しました。
そして後半は要件・機能を満たすためのお金が関係するテーブル設計を実施しました。
最後には機能をタスクへ細分化するところまで進め今回の開発ボリュームを明らかにしました。

in 東京

東京ではテーブル設計をFIXさせるための議論を中心に進めました。
また最後はマイルストーンを決め、いつまでに誰が何を達成するのかを決めることをしました。

合宿の風景

議論している風景 議論している風景

みんなでNo.1ポーズ みんなでNo.1ポーズ

東京で具体的なテーブル設計 東京で具体的なテーブル設計

合宿での成果

感覚的なものですがオンラインで進めていたら1ヶ月以上かかっていたものが、3日間に圧縮できた印象があります。
また、春秋さんとも仲良くなれました。3日間缶詰になり常に会話をして、ご飯を食べてと大半を一緒に過ごすことで、徐々に会話もスムーズになっていったように思えます。

要件の見直しにつながり削減できた

その要件がなぜ必要かの共有し、議論した結果対応なしになったりと要件のスリム化ができました。

合宿期間の推奨期間がわかった

要件30件を確認するのに計12時間ほどを費やしました。
要件自体の内容にもよりますが、1要件あたり30分をみてスケジューリングするとよい印象です。

今回の開発規模に対してだと沖縄での3日間だけではとても足りないものでした。
東京でも実施した日数を合わせると計5日間が必要だったことになります。

見通しがよくなった

合宿後に各タスクの概算見積をし、開発規模を明らかにしました。
これにより大まかに必要な期間や、優先度の意思決定がしやすくなりました。

さいごに

対面に勝るものはないなと改めて実感する結果になりました。
特にプロジェクト初期段階は抽象的な状態なので、より効果を実感しました。
オンラインだとメインスピーカーとあと2人くらいが発言する状態になったり、
対面では全員の参加感が強く、質問も活発だったように思えます。
その参加感からか合意形成がとてもしやすく、ひとつのゴールに向かっていくことで、チームが出来上がっていく印象もありました。

今後もプロジェクトの規模や複雑性に応じて、適宜こういった集中合宿をおこない、速で価値を届けられるようにしていきます。