ECブログリレー カラーミーショップ CRE

CREチームに配属になって、カラーミーショップを駆け巡った話

ECブログリレー カラーミーショップ CRE

こんにちは!EC事業部CRE/QAチームのエンジニアのしおりんです。 

EC事業部のブログリレー7日目の記事は、エンジニアの新卒研修を経てカラーミーショップでCREのエンジニアとして働いて感じた、CREという仕事についてです。

新卒からCREに入ると決まったときに感じた不安をどう解決したのか、また入社前にminneのAndroidチームでアルバイトもしていたので、その時と比べて仕事内容はどう変わったのか?などCREのエンジニアになって8ヶ月経った目線で書いていきたいと思います。

内定者アルバイトやインターンシップ、また新卒エンジニアの研修では、どんなことをしたのかというのもテックブログに以前書いたので、そちらもみていただけると嬉しいです。

インターンシップと内定者アルバイトをやってみて - ペパボテックブログ

ペパボ新卒エンジニア研修 2020 vol.1

  1. CREとは?
  2. CREの仕事をしていく中での学び
  3. 新卒から8ヶ月、CREとして働いてみて
  4. CREのエンジニアとして今後、頑張りたいこと

CREとは?

CREとはCustomer Reliability Engineeringの略称で、顧客信頼性エンジニアリングという2016年にGoogleによって提唱された専門職です。

私が携わっているカラーミーショップは、インターネット上でお店を開きたい個人や企業向けのネットショップ作成サービスです。 カラーミーショップでの顧客というのは、ショップを運営するショップオーナーさんのことを指しており、主な仕事内容としては、大きくこの3つがあります。

  • CSだけでは解決できないお問い合わせに対して、技術的な面から調査して解決に導く
  • お問い合わせが来る要因を考え、根本的に解決する
  • ショップオーナーさんからの要望に答えて、機能を改善する

まず1番目の「CSだけでは解決できないお問い合わせに対して、技術的な面から調査して解決に導く」

この調査が今の主な業務となっており、minneでアルバイトしていた時と一番違いを感じる点です。

この8ヶ月、様々なお問い合わせの調査をするうちに、自分の中で調査依頼があったときの進め方が、以下のように段々と確立してきました。

  1. 管理画面やマニュアルから機能を理解し、現象が手元で再現するかを見る
  2. 実際に処理が動いているコードを見る
  3. 現象が発生した時刻やアカウントIDなどから、エラーログや操作ログを見る

minneのAndroidチームで仕事をしている時はアルバイトということもあり、1つの機能改善に向けて集中してコードを書いていたのですが、CREになってからは「コードやログを見て推測する」時間が圧倒的に増えました。

そして「お問い合わせが来る要因を考え、根本的に解決する」と「ショップオーナーさんからの要望に答えて、機能を改善する」この2つへの対応がCREとしての大きな役割だと思います。

お問い合わせをしないと解決しないというのは、オーナーさんにとってもあまりよくない状態なので、少しでもお問い合わせしなくてもオーナーさん自身で解決できるようにするには、どうすればいいのかを、調査したお問い合わせなどを見て考えています。

CREの仕事をしていく中での学び

CREとして様々なお問い合わせの調査を行っていく中で、配属する前に感じていた2つの不安が解消され、多くのことを学ぶことができました。

まず、カラーミーショップの管理画面についてです。

カラーミーショップは、ネットショップを運営しているオーナーさん向けのサービスなので、お店をやっていた経験のない私が、理解できるかと不安でした。

なので調査をする時、まず機能を使ってみて把握することから始めることを心がけるようにしました。

まだまだ把握していない機能もありますが、初めよりカラーミーショップの機能に慣れてきて、1回機能を理解すると次に同じ箇所を調査するときのスピードが上がってきただけでなく、なんとなく原因の目星をつけることができたり、また各機能に対するオーナーさんの利用状況を把握することができるようになってきました。

もう一つは、技術的な面での不安です。

学生時代はAndroidの開発でJavaやKotlinをやっていたのですが、それ以外の言語には触れたことがなかったため、PHPが中心となっていると聞いたときは理解できるかどうか不安になり、配属前に少しでも知識をつけなきゃと思い本を買って急いで勉強していました。

実際に配属された当初は機能の改善に取り組んだため、PHPの書き方などに苦労しましたが、調査の業務が始まってくると、書くことよりも見ることが多いので、1つのコードにずっと止まって作業するというよりは、調査ごとに見る場所がその時その時で変わっていきました。

一つにとどまらず、様々な場所のコードや手元で動かしながら見ることで、多くの領域に触れて学ぶことができるだけでなく、それぞれのコードの意味や特性などを捉えやすくなってきました。

またコードを見て学んでいったことで、修正や改善を行う時もすぐにコードを書かずに、同じような処理をしている場所があるかなどを探すということが体感として身に付きはじめ、配属前に感じていた触れたことない言語への抵抗感は、ほぼなくなりました。

今では、商品の登録に関するページを見たと思ったら、検索エンジンへの対策で利用される機能を見ていたり、はたまたカラーミーショップのAPIに関して仕様を調べるためにAPIを叩いたりと、幅広く様々なカラーミーショップの機能を、日々駆け巡ることで多くのことをインプットできる楽しさを覚えています。

CREとして様々な調査を経験し、今までなんとなく出来ている気がしていた「見る」ということの難しさを実感したのと同時に、たくさんのことを得ることができるすごさ、重要性を学ぶことができました。

新卒から8ヶ月、CREとして働いてみて

CREチームに配属され、CREとして業務をするとなった時に、やっぱりいちばん心配だったのは「カラーミーショップは新卒研修以外で触れたことがなく、お問い合わせの調査とかできるかどうか」でした。

ただ、実際に上記で書いたように調査をしながら機能に触れたりコードやログを見ることで、その不安は今ではなくなりました。

ただ、この約8ヶ月CREとして働いてみて、様々な調査に対応して少しずつ慣れてきたものの、やっぱりチームの先輩と比べて時間がかかってしまっているのが現状としてあります。

この、私と先輩でかかる時間の差はなんだろうと思って考えてみると、調査する時の「勘の働き方」だと最近感じ始めています。

ペパボの社内においてのドキュメント管理としてGitHub Enterprise Server(以下GHES)を活用しており、基本的にCREへの調査依頼はGHESのissueを用いてCSから届くため、その調査issueの情報やお問い合わせ内容を元にすすめています。

その中で調査をしてみてもうまく再現せず、ログなどからも異常が見つからない時、「いや…私が見つけられてないだけで本当はあるのでは…」と探してしまったり、実際に問題の現象が手元でも確認できたとしても原因がわからずに悩みすぎてしまうということが多く、私が調査に時間がかかってしまう要因でした。

その時に、同じチームの先輩に相談しているのですが、私がみていた箇所とは違うところや参考になりそうな過去の調査issue、ショップオーナーさんの利用背景などを示してもらえたり、再現しない時にどこまで調べるのかの判断の素早さを感じた時、これらはカラーミーショップに携わってきた上での知識や経験からくる「勘の働き方」で、そこをもっと鍛えていかなくてはいけないと思いました。

なので、その勘が少しでも身につくように、毎日始業時にSlackのチーム内のチャンネルで「しおりんスレ」を作成して調べている過程やその中で考えていること、また調査をしていく中での先輩との相談などもこのスレッドに残しています。

この「しおりんスレ」を書くことは、新卒エンジニア研修で学んでから今日まで毎日続けているのですが、今日やることや今何をしているのかなどを細かく残すことを心がけているため、他の人からでも今私が何をしているのかを把握してもらいやすく、その中でアドバイスなどをいただけることもあり、リモートワークの中でも孤独を感じず気軽に相談できています。

また何よりも、どのように進めたかという流れやその際先輩と話した内容が文字として残っていることで、後日似たような対応をするときにも振り返ることができ、知識の定着につながっていて、今ではこの「しおりんスレ」が仕事をする上で重要な場所となりました。

またそれ以外に、ドキュメントでも調査した時の内容を残すようにしています。

GHESのissueだと調査が終わっても消えることはないため、私自身も過去の調査issueを参考に多くの調査を進めることができた経験から、調査issue内に調査した場所や対応方法を細かく残すようにし心がけるようにしています。

ただ、調査issueは数多くあり探すコストもかかるため、似たような対応や私が取り組む中で覚えていた方がいいなという内容に関しては、GHESではなく、社内のドキュメント管理として活用しておりドキュメントとして気軽に残しやすい、notionにて細かい手順やログの見方などを書くようにしています。

このように見える形として残すことで、今後の私が振り返りやすくするだけでなく、今後新たにカラーミーショップに関わる人でも「勘」を捕らえやすいようにアウトプットすることを心がけるように日々意識するようになっていきました。

そして、今では少しずつですが、私の中にも調査していく中での「勘」が芽生え始めてきたかもと感じ始めています。

CREのエンジニアとして今後、頑張りたいこと

今は、コロナ渦でお問い合わせ件数も増加していることもあり、結構お問い合わせの調査に時間を取られがちになってしまっていますが、お問い合わせの数やエンジニアの技術がないと解決しない対応を減らしていくことがCREとして考え取り組んでいくべきことだと、この8ヶ月業務をしていく中で感じました。

少しずつ、調査をこなせるようになった今、お問い合わせを減らすには、何が問題でどう根本的に解決したらいいのかを考えて、もっとショップオーナーさんが使っていてよかった!と思ってもらえるようなカラーミーショップになるように頑張りたいと思います!