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撮影係をスケールアウトする

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こんにちは。minneのプロダクトチームでマネージャーをやっている @hogemoge です。

GMOペパボでは社内外におけるイベント、インタビューコンテンツなどの撮影をスタッフが行うことも多く、写真好きなスタッフ数名に撮影依頼がよくきます。

最近では以下のインタビューコンテンツの撮影係をやりました。
ハンドメイド大賞その後のお話 受賞作家さんに聞きました | ハンドメイドマーケット minne(ミンネ)

年を追うごとに依頼件数も増えてきたので、撮影係を増やしてスケールアウトしようと思い、社内で「撮影係養成講座」というものを開催しました。

失敗写真を減らす

「デジタル一眼を持っているけど使い方がよく分からないんだよね。使いこなせるようになりたいんだけども…」というメンバーを対象に、

  • カメラの仕組みを知る
  • 撮り方の基本を知る

の2点について2時間程の講義+ハンズオンを実施しました。

講座で使った資料

資料はここにアップしてあります。
撮影係養成講座 · pplog/cameraman-training-course Wiki

撮影係を増やすことが目的なので、撮影係の人には「失敗写真」を減らしてもらわねばなりません。

ここでいう失敗写真とは、ピンぼけ、ブレ、構図、極端に明るい、暗いといった後から補正することが難しい写真のことを指しています。 ポイントを抑えた写真を撮っておくことで、写真を利用するデザイナーの負担を減らすことができます。

あえて失敗からスタートする

今回の養成講座では普段出番がほぼないマニュアルモードで撮影してみて、あえて「失敗写真」を量産してもらいました。

何も考えずにマニュアルモードで撮影すると写真は真っ白になったり真っ黒になったりします。 最初に失敗からスタートすることで「適切な明るさの写真を撮る」という明確なゴールが生まれるので、受講者は説明を理解しやすかったのではないかと思っています。

カメラの仕組みは難しく見えがちですが、仕組み自体はとても単純なものです。
仕組みを理解した撮影係が増えることで、

  • 逆光で被写体が真っ暗になってしまった場合
  • 暗い室内の撮影で写真がブレてしまう場合

といったカメラ任せではうまく撮れないようなシーンでも、自分で対処することができます。 いきなり素早い対処ができるようになるのは難しいですが、少なくとも思考停止にはならないでしょう。

これをきっかけに経験を積むことで撮影係としてのノウハウをためていってほしいなと思います。

できる人を増やす

ということで撮影係養成講座のご紹介でした。

以前にも撮影講座を社内で開いたことがあったのですが、その際は「絞り優先モード!絞りは開放!いい感じに撮れるよ!」と色々とショートカットして教えていました。しかし、このような教え方ではカメラ任せではうまくいかない場合に応用がきかず、なかなか撮影係が増えないという課題を感じていました。

結局のところ仕組みを理解してもらうのが一番の近道ではないかと思い、マニュアルモードをつかって説明したら案外うまくいったのでした。

ぶっちゃけますと「自分が楽したかった」というのが正直な気持ちなんですが、「自分がやらなくても組織として目的を達成できる状態を作る = できる人を増やす」という視点で課題解決を図りました。

各社の撮影係な皆様の負担軽減に繋がれば幸いです。


補足:「自分も撮影係養成講座をやってみよう」と思われた各社撮影係の皆様へ

以下は撮影講座をやる際に、講師が把握しておくと良いかもしれない情報です。

最初はISO固定で

マニュアルモードで撮影してもらう際は、ISOは800などに固定にしておくとよいです。
絞りとシャッタースピードで適正露出にできるという理解をしてもらった後に、ISOについて説明したほうが理解してもらいやすいです。

カメラの動きがどう変わるか見せる

絞りについて説明する際は、絞り値を変えることで実際に絞り羽がどのように変わるか見せると良いです。
シャッタースピードを説明する際は、レンズを取り外してミラー部分を見せながら高速シャッター、低速シャッターで変化を見せると良いです。
「シャッターをきると、ミラーが上がってセンサーに光が入り映像が記録されるんだよ」というと「そういう仕組だったの!」と驚いていました。

露出補正は第四の要素ではない

露出補正がでてくると、絞り、シャッタースピード、ISOに加えて第四の要素のように捉える人が多いです。
「絞りやシャッタースピードの値を変えているだけなんだ」ということを伝えるためにも、マニュアルモードで仕組みを理解してもらうと良いでしょう。

適正露出の正解は一つではない

  • マニュアルモードで適正露出の写真を撮っておく
  • 次に絞りを3段絞って暗い写真を見せる
  • 次にシャッタースピードを3段遅くすれば明るさは1枚目の写真と変わらない

という流れで説明すると理解してもらえました。
参考になれば嬉しいです。